科学は常に進化している

大学の物理学の先生が言っていたことに、はっとさせられる出来事がありました。それは、物理学の授業の導入として科学史をサラッと説明していた時のこと。
｢天動説は今や否定され、我々は地動説を当たり前のこととして信頼しています。しかし、我々は天動説が一般的だった当時の科学や、それに基づいた研究をバカにすることはできません。科学は常に進化していて、今常識として扱われている物理法則や、自然現象の捉え方が否定される時代が来ることだってありえるからです。我々が過去の人間をバカにすることは、現代に生きる我々を自ずから否定することになるのです。｣
確かに、現代人の科学は明らかに進歩しています。今こうしてこの文章を書いているデバイスも、古代人が見たら何だか全くわからないでしょうし、困惑する古代人の様子を見て、我々はバカにするでしょう。しかし、未来人が来て彼らの操る道具を見て、すぐにどんな道具か理解することは難しいでしょう。そうやって、今の常識はあっという間に否定される時代が来ます。しかも科学者でも何でもない一般人に。
現代人にとって最先端の技術をバカにされても「？」となるように、古代人にとって最先端の科学を用いて導き出した答えであった天動説をバカにされても「？」となるわけです。(宗教的な理由をさておいたとしても)
科学は常に進化している。
だから、我々は過去の科学をバカにするようなことはあってはならないのです。