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暗号資産の信用を失墜させた?マウント・ゴックス事件とは!

こんにちは。ルピナス暗号資産ナビゲーターのshibaです。

この記事は、暗号資産(=仮想通貨)投資コミュニティ、ルピナスの投資講座の内容に基づき書いています。

暗号資産の投資からWeb3.0、ブロックチェーンのことなど、暗号資産を取り巻く情勢について解説しています。その目的は暗号資産投資のリスクヘッジであり、より小さなストレスで最大の利益を得ることです。

私自身もこの記事を書きながら勉強している身で、この記事を読んでくださるあなたと共に学んでいければと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

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また、ルピナスのホームページでは、暗号資産に関わる様々な情報提供を行っていますので、併せて参考にしていただければと思います。

今回は、ビットコインの信頼が揺らぎつつも、その本質の理解を促進することになった事件、マウント・ゴックス(以降、「Mt.Gox」と呼びます)事件を振り返りたいと思います。

今なお不透明な部分が残る事件ですが、この事件を機に日本でも暗号資産に対する法整備が進み、そのことが世の中の「暗号資産って何?」という疑問に対する理解を深めました。

暗号資産投資についての理解を深めることで、ストレスフリーな投資にお役立ていただければ嬉しいです。ぜひ最後まで読んでみてくださいね^^

※本記事では、仮想通貨、暗号通貨、暗号資産などの用語が登場しますが、これらは基本的に同じ意味です。

1.Mt.Gox事件の概要

Mt.Gox事件とは、当時世界最大級の暗号資産取引所だったMt.Goxから大量のビットコインが盗み出された事件のことです。

この事件をきっかけに、ビットコインの価格は大暴落してしまいました。

ただ、ご存じのようにその後はまた価格が上昇し、2021年には1BTCの価格は700万円超まで上昇し、現在でも200~300万円前後の価格で推移しています。

ただ、Mt.Gox事件の発生は、暗号通貨が世に出て4~5年だったこともあり、世界的に大きな注目を浴びる事件となりました。

今回は以下の2点に焦点を当ててMt.Gox事件を振り返りたいと思います。

  • そもそもMt.Gox事件とは何だったのか

  • Mt.Gox事件を機に変わったことは何か

■Mt.Gox事件の始まり

Mt.Goxとは、暗号通貨を売買することのできる取引所でした。Mt.Goxはこの事件をきっかけに経営破綻してしまったため、今はありません。

このMt.Goxが2014年2月7日に突然ビットコインの引き出しを停止してしまいました。

想像してみていただきたいのですが、自分のお金を預けている銀行がある日突然引き出しを認めませんと言い出したらどうでしょうか?

暗号資産の取引所は通常、ウォレットも同時に管理しています。いわゆる取引所ウォレットですね。

ウォレットの種類については下記の記事をご参照ください。

当時、Mt.Goxにおける取引所としてのビットコイン取引量は、世界の7割に達していたと言われています。

Mt.Goxのウォレットに手持ちのビットコインを預けていた人も多かったと思われます。

そのMt.Goxのウォレットからビットコインを引き出せなくなったのです。

投資家にとっては大きな衝撃だったことと思います。

■民事再生手続きの申立てで事件が発覚

ビットコインの引き出しができなくなった時点ではまだ事件は公にはなっていませんでした。

しかしその後、2014年2月28日にMt.Goxが東京地方裁判所に民事再生手続き開始の申立てを行ったことで事件が公になりました。

Mt.Gox社の発表によると、顧客保有分の約75万BTCと自社保有分の約10万BTCが消失しており、日本円にして約470億円分のビットコインがハッキングにより盗み出されていたということでした。

結局、東京地方裁判所はMt.Goxの民事再生手続きを棄却したため、4月24日には破産手続きを開始するに至っています。

■Mt.Gox事件のその後

Mt.Goxの顧客数は12万7000人いたとされています。これら全ての人が資産を失ったと決めつけることはできませんが、被害者数は万単位であったものと想像できます。

Mt.Goxが破産手続きを行ったその1年後、当時CEOだったマルク・カルプレス氏が逮捕されました。業務上横領の疑いをかけられていましたが、2019年に無罪判決が下されています。

一方、2017年にはアレクサンダー・ビニックというロシア人男性がMt.Goxをハッキングした犯人として逮捕されています。

しかし、今もって事件の真相は明らかになっていません。

2014年に破産手続きを開始したMt.Goxですが、2018年に被害者(債権者)の意向を踏まえて一部民事再生手続きに移行したようです。

ただ、被害者への返済については今も調停が続いており、完全な解決にはまだ時間がかかりそうです。

ざっくりと事件の概要を追ってきました。

この事件の中で注目すべき点は、以下の2点かと思われます。

  • ハッキング以外の側面から見たMt.Gox事件の本質的な要因

  • 暗号通貨の安全性

以降では、これら2点をみていきたいと思います。

2.Mt.Gox事件以降の法整備

Mt.Gox事件は、一般的には外部からのハッキングによる暗号通貨の盗難ですが、事件のもう一つの側面として取引所の管理体制の不備が挙げられます。

実はMt.Goxがハッキング攻撃を受けたのは、事件が公になるより3年も前の2011年でした。

その後も、2014年まで表に出なかった様々な管理不備が積み重なり、経営破綻へと突き進むことになったのです。

Mt.Gox事件によって明らかになった課題の一つは、暗号通貨の管理においても金融機関としての規制やルールが必要ではないか、ということでした。

そしてこの事件を皮切りに、多くの法整備が進められることになりました。

代表的な法律とその内容については、下表に示すとおりです。

Mt.Gox事件以降の法改正の概要

これらの法整備は、暗号通貨市場にどのような影響をもたらすでしょうか。

それは、基本的には各通貨に対する投資額の増加、つまり時価総額、価格の上昇につながっていくと考えられます。

その理由は、法律が整備されることによって、暗号通貨への投資の安全性が高まるからです。安全性が高まると機関投資家や巨額を運用するファンドが市場に参入するようになります。

彼らが参入してくると、暗号通貨市場への投資額は大幅に増加していくでしょう。

下図は、2013年以降のビットコインの価格の推移を追ったものです。

ビットコインの価格の推移

2017年以降の法整備以後、ビットコインの価格が上昇し続けていることがわかります。これは、ビットコインへの投資額が増加したからにほかなりません。

暗号通貨に対する法整備が進むことは、世界的にも暗号通貨が資産としての価値を認められたことになるのです。

3.Mt.Gox事件によってビットコインの安全性は再認識された

Mt.Gox事件が公になった2014年2月当初、ビットコインの安全性を疑うような報道がなされたことによって投資家からの売りが相次ぎ、ビットコイン価格は暴落してしまいました。

事件発覚前に1BTC=約9万円だった価格は、発覚後1万8千円程度まで値下がりしました。

2023年2月現在、ビットコインの価格は約300万円前後で推移しています。このことからもわかりますが、ビットコインの安全性に問題があったわけではありません。

むしろこの事件を機に、ビットコインに対する安全性を世界中の人が認識することにつながりました。ではなぜMt.Gox事件は起こったのでしょうか。

■Mt.Gox事件が起きた本質的な要因

その本質的な要因は、取引所であるMt.Goxによる暗号通貨の管理体制の不備にあったと言えます。

暗号通貨を売買する取引所には、Mt.Goxのような一組織が管理する中央集権的な取引所(CEX:Centralized Exchange)とdApps(Decentralized Applications)の一種である非中央集権的な取引所(DEX:Decentralized Exchange)の2種類があります。

これら取引所の違いについては以下の記事で説明していますので併せてご覧ください。

https://note.com/shibatakengo/n/n09cea8efd5c3

暗号通貨の取引には、その名のとおり暗号化技術が使われていて、「公開鍵」と「秘密鍵」と呼ばれるアドレス(文字列)が存在します。

CEXは、銀行口座のように暗号通貨を預け入れておくウォレットの役割も果たしていることが多いのですが、その際私達ユーザーは「秘密鍵」をCEXに預けることになります。

つまりCEXの口座に暗号通貨を預けるということは、「秘密鍵」をCEXに預けるということと同じなのです。

なお、「公開鍵」は誰に知られても全く問題ありませんが、「秘密鍵」を他人に知られると、口座(取引所のウォレット)から暗号通貨を盗まれる恐れがあります。

Mt.Goxは顧客の「秘密鍵」をオンライン上で管理していたために、ハッキングによってこれらを盗み出されてしまい、顧客の資産も盗まれてしまったと言われています。

■ビットコインそのものは安全なのか?

Mt.Gox事件は、取引所の不祥事だったと言われています。

しかしそのことがビットコインなど暗号通貨を保有することの安全性の証明にはなっていません。

取引所に暗号通貨を置いていなければ他人に盗まれるリスクはないのでしょうか?

その回答に関しては、以下の2つの記事で説明していますのでぜひご一読ください。

https://note.com/shibatakengo/n/ne2735741522e
https://note.com/shibatakengo/n/n868ec6aebef7

ざっくりと説明します。

暗号通貨はブロックチェーンという仕組みで分散型管理されています。

分散型管理を担うコンピュータをノードと呼ぶのですが、これらノードが不正を行おうと思えばその手段はゼロではありあせんし、不可能なことではありません。

しかし、ブロックチェーンにおける不正が非常に困難であることと、暗号通貨の発行の仕組みによって、法律を侵すリスクをとりながら不正を働くよりも、誠実にノードとしての役割をまっとうする方がお金を稼げる、というのが現実です。

その結果、暗号通貨の基盤であるブロックチェーン上での不正は限りなく「起こりにくい」と言えます。

Mt.Gox事件の後、ビットコインに関するそのような事実が世間に認知されたことにより、ビットコインの価格は再び上昇し、今に至っています。

まとめ

今回の記事では、Mt.Gox事件を振り返るとともに、事件の前後で暗号通貨の世界はどのように変化したのか、その変化が市場に与えた影響は何だったのかを説明しました。

暗号通貨市場では知らないことがリスクであり、暗号通貨の仕組みを支える基礎的な知識を身に着けることが投資に対する安全性を高めることに直結していると言えます。

最後に簡潔にまとめてこの記事を終わりたいと思います。

■今回の記事のポイント

  • Mt.Gox事件は、取引所における管理体制の不備が引き起こした事件だったと言える

  • 事件後様々な法整備が進み、暗号通貨市場への投資額は上昇していった

  • 暗号通貨を支えるブロックチェーンなどの基礎知識を身に着けることがリスクヘッジになる

この記事では、できるだけ初心者の方にわかりやすく書いているつもりですが、よくわからないところなどコメントいただければ別の記事で補足していきたいと思います。

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以上、ここまで読んでくださりありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。


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