暗号資産の現物投資とデリバティブ投資
こんにちは。ルピナス暗号資産ナビゲーターのshibaです。
この記事は、暗号資産投資コミュニティ、ルピナスの投資講座の内容に基づき書いています。
暗号資産の投資からWeb3.0、ブロックチェーンのことなど、暗号資産を取り巻く情勢について解説しています。その目的は暗号資産投資のリスクヘッジであり、より小さなストレスで最大の利益を得ることです。
私自身もこの記事を書きながら勉強している身で、この記事を読んでくださるあなたと共に学んでいければと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
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今回のテーマは、現物取引とデリバティブ取引です。
デリバティブのような横文字が登場すると途端に難しく感じますね。デリバティブとは、「派生的な」「派生物」などの意味を持つ英単語で、投資の世界では金融派生商品と訳されます。
今回は、現物取引とデリバティブ取引の違いをみていきます。
暗号資産投資についての理解を深めることで、ストレスフリーな投資にお役立ていただければ嬉しいです。ぜひ最後まで読んでみてくださいね^^
現物取引は上げ相場で利益を得る投資
現物取引は、暗号資産を実際に購入したり売却したりする取引のことで、所有して値上がりを待つという最も一般的な投資手法です。
ここで、暗号資産とは仮想通貨のことです。
仮想なのに現物ってどういうこと?という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかも知れません。
仮想通貨の「仮想」と、ここでいう「現物」とは意味が異なりますのでご注意ください。
仮想通貨の「仮想」とは、お札や硬貨などの現金がなくコンピュータ上にのみ存在するバーチャル(仮想)な通貨であることを意味します。日本円や米国ドルのような国家が発行する法定通貨ではありませんが、国際的に信用され通貨として認められているので仮想通貨・暗号資産などと呼ばれています。
そして世界的に通貨と認められる理由は、暗号資産の仕組みを支えるブロックチェーンと呼ばれる暗号化技術にあります。
長くなるので、ブロックチェーンについてはまた別の記事で解説しますね。
なお、近年ではQRコードによるオンライン決済が使われるようになってきていますが、これらオンライン決済が取り扱うのはあくまで日本円などの国家が発行している法定通貨であり、ブロックチェーンによって管理されている暗号資産とは取り扱っている通貨そのものが異なります。
ここで、現物取引の特徴、メリット、デメリットを簡単にまとめておきます。
■現物取引の特徴
・現物取引は最もポピュラーであり、最もオーソドックスな取引
・単純に暗号資産を所有して、値上がりするのを待つ取引
■現物取引のメリット
・手元の資金以上の購入ができないため、損失も手元資金の範囲内で済む
■現物取引のデメリット
・暗号資産の値上がりでしか利益を得ることができない
・手元の資金の範囲内でしか取引ができないため、大きな利益を得にくい
デメリットに記載した部分は、後述するデリバティブ取引と対比して読むと理解しやすくなります。ぜひ次のデリバティブ取引の項目も読んでみてくださいね。
デリバティブ取引は相場に寄らず利益を得ることができる投資
デリバティブ取引は、予測した将来の暗号資産の価格に対して投資する取引方法です。
例えば、将来の暗号資産の価格が上がると予想すればロング(買い)で入り、価格が下がると予想すればショート(売り)で入ります。
現物取引との違いは様々ありますが、最も大きな違いの1つは暗号資産を保有するのではないという点です。
デリバティブの基本的な取引方法には、先物取引とオプション取引があります。
ここでは、基本的なデリバティブ取引である先物取引とオプション取引、そして先物取引で決済期日の指定がない無期限契約の3つの取引方法をご紹介します。
■先物取引
先物取引とは、予測した将来価格に基づき期日までに売買することを約束する取引方法です。
先物取引の特徴は取引を行うまでの期日(決済日)が定められていることで、期日内であればいつでも取引を決済することができます。
また証拠金を預け、レバレッジをかけることで手元資金以上の取引ができます。証拠金とレバレッジについては以下のとおりです。
証拠金:専門用語を使うと難解な言い回しになってしまいますが、端的に言うと期日における決済を担保するためのお金です。必要な証拠金は取引所によって異なります。
レバレッジ:レバレッジとは「てこの原理」のことで、預け入れた証拠金をもとに数倍~数百倍もの取引を可能にする仕組みです。
先物取引のようなデリバティブ取引では、レバレッジをかけることが可能になります。
少ない資金でも高額の取引をすることができ、大きな利益を得る可能性が高いというメリットがありますが、一方で大きな損失を被るリスクもはらんでいます。
そして、先物取引の最大の特徴は、ロング(買い)とショート(売り)の概念と言えます。現物取引では上げ相場でしか利益を得ることができませんが、先物取引に代表されるデリバティブ取引では、上げ相場・下げ相場のどちらでも利益を得ることが可能になります。
下図の先物取引のイメージ図で示すように、ロングで入った場合は価格上昇時に利益をとり、ショートで入った場合は価格下落時に利益をとることが可能になります。
なお、図では決済日に決済するイメージとなっていますが、先述したように暗号資産の先物取引では期日内であればいつでも取引を決済することが可能です。
■オプション取引
デリバティブ取引におけるオプションとは、あらかじめ当事者間で決めた行使価格で暗号資産を売買する「権利」を指します。
買う権利のことをコール・オプションと呼び、売る権利のことをプット・オプションと呼びます。
ちょっとわかりにくいですよね(笑)。売買すること自体は現物取引においても同じことですから。
例えば、BTC価格が$2万の時に$1万で買うことができる権利、と言えばいかがでしょうか。この権利のことをコール・オプションと呼びます。また逆に、BTC価格が$2万の時に$3万で売ることができる権利のことをプット・オプションと呼びます(下図参照)。
先物取引とオプション取引は、将来の売買に関する取り決めという意味で似ています。しかし、先物取引が決済日までに必ず売買しなければいけないのに対して、オプション取引では売買の義務がありません。
つまり、利益が出そうな時には権利を行使し、損をしそうなときには売買の権利を放棄することができる取引です。
オプション取引は、価格上昇が予想される際に現物ではなくコール・オプションを購入しておく、または価格下落が予想される際に現物ではなくプット・オプションを購入しておく、などリスクヘッジに活用できる取引方法でもありあす。
■無期限契約
無期限契約は、決済期日のない先物取引です。
無期限契約はデリバティブ取引の一種であり、証拠金に応じてレバレッジをかけることができます。また、ロング(買い)・ショート(売り)どちらからの注文も可能です。
ただし、無期限契約そのものの価格を調整するため、資金調達率に基づき定期的に資金調達料を支払う仕組みがあります。この資金調達率のことはファンディングレートとも呼ばれます。
例えば、ロングポジションの投資家が増え、無期限契約の価格が現物(原資産と呼びます)価格を大きく超えた状態を想像してみてください。
この場合、資金調達料はロングポジションを保有する投資家からショートポジションを保有する投資家への支払いとなります。
資金調達率、資金調達料の支払い方向のイメージは下図のとおりです。
例えばBybit(海外の取引所)では、資金調達料の支払いは8時間置きに実行されます。
この無期限契約の価格調整機能がなければ、ロングポジションの価格上昇が止まらずショートポジションを購入する投資家がいなくなってしまうため、投資対象として不適切な状況となります。
このような状況を避けるため、資金調達料の仕組みが設けられています。
無期限契約でポジションを保有し続ける場合には、この資金調達料の支払額にも気を配っておかないと、知らぬ間に支払額が大きくなり、損失を被る恐れがあるので注意が必要です。
■デリバティブ取引総括
以上、ここまで先物取引、オプション取引、無期限契約について簡単に解説してきました。デリバティブ取引では、原資産を保有することなく、原資産の価格変動に投資することができる金融商品です。
証拠金に基づきレバレッジをかけられるため、大きな利益を狙える反面、損失が膨らむリスクをはらんでいます。
そして最大の特徴は、ロング(買い)・ショート(売り)どちらのポジションからも投資できるため、市場の上げ下げに係らず利益を狙うことができるという点です。
まとめ
今回の記事では、現物取引とデリバティブ取引について解説しました。
最後に簡潔にまとめてこの記事を終わりたいと思います。
■現物取引の特徴・メリット・デメリット
現物取引は、単純に暗号資産を所有して、値上がりするのを待つ取引です。
メリットは、手元の資金以上の損失を被る恐れがないという点です。
デメリットは、逆に手元の資金以上の取引が出来ないという点です。
■デリバティブ取引の特徴・メリット・デメリット
デリバティブ取引は、原資産を保有することなく、原資産の価格変動に投資する取引です。
メリットは、市場の上げ下げに左右されずに利益を得ることができること、少額の資金でもレバレッジをかけることで利益を大きくすることができることです。
デメリットは、レバレッジをかけると損失が膨らむリスクも高まるという点です。
暗号資産への投資が初めてという方には、デリバティブ取引はやや難易度が高いため、まずは少額の現物取引から始められることをお勧めします。
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また、ルピナスのホームページでは、暗号資産に関わる様々な情報提供を行っていますので、併せて参考にしていただければと思います。
以上、ここまで読んでくださりありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。