読みづらい相場でのリスクヘッジ!デルタ・ニュートラルとは
こんにちは。ルピナス暗号資産ナビゲーターのshibaです。
この記事は、暗号資産(=仮想通貨)投資コミュニティ、ルピナスの投資講座の内容に基づき書いています。
暗号資産の投資からWeb3.0、ブロックチェーンのことなど、暗号資産を取り巻く情勢について解説しています。その目的は暗号資産投資のリスクヘッジであり、より小さなストレスで最大の利益を得ることです。
私自身もこの記事を書きながら勉強している身で、この記事を読んでくださるあなたと共に学んでいければと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
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今回のテーマは、ボラティリティ(価格変動)の大きな暗号資産市場でできるだけリスクを低減しつつ投資できるデルタ・ニュートラルのお話です。
以前、以下の記事でデリバティブ取引のことを紹介しました。
デルタ・ニュートラルは、デリバティブ取引の無期限契約を上手に使って、暗号資産の市場価格が上がっても下がっても損失を被らなくなるという方法です。
損失がないと言い切ってしまうと少し語弊がありますが、通常の現物取引のみと比較すると精神的な安定感に大きな開きがあると思います。
暗号資産投資についての理解を深めることで、ストレスフリーな投資にお役立ていただければ嬉しいです。ぜひ最後まで読んでみてくださいね^^
暗号資産のボラティリティ(価格変動)
まず、暗号資産に投資する際の大前提として暗号資産市場はボラティリティが大きい、という特徴があります。
その理由は、暗号資産市場の投資総額がまだまだ少ないからと言えます。また、暗号資産に投資する投資家がまだまだ少ないとも言えるかと思います。
以前「時価総額上位銘柄の特徴!投資銘柄選定のコツは?」でもご紹介しましたが、株式市場の投資総額が1京円を超えているのに対して、暗号資産市場の投資総額は100兆円規模と2オーダーも小さい状況です。
少し乱暴な言い方になってしまいますが、ざっくりと言えばこの投資額の違いがボラティリティの差になっていると考えてよいと思います。
下の図のように、市場価格というのは需要と供給の関係で変化します。
市場価格は需要と供給の関係で成り立っています。ですので、売買する投資家が少ないと少しの売買でも大きく価格が変動してしまうということです。
1日で数十%の変化は珍しくなく、どうかすると2~3倍、数十倍の価格変動が生じるのが暗号資産市場の魅力であり、恐ろしさでもあります。
今後価格が上がるのか、下がるのか判断できないときなど、ショートで入るのか、ロングで入るのか悩ましいと思います。
ショートとロングについては、以下の「暗号資産の現物投資とデリバティブ投資」をご参照ください。
このような悩ましい場面で使えるのがデルタ・ニュートラル戦略です。
デルタ・ニュートラルとは
デルタ・ニュートラルとは、例えば現物のビットコインを1BTC購入したとすると、レバレッジ1倍のショートポジションを購入することで、デルタを中立に保つ戦略です。
デルタとは、ギリシャ文字ですね。難しい定義を持ち出すと「原資産の価格変動に対する、オプション価格の変動率」のようですが、これは知らなくても問題ないでしょう(笑)。
要は【現物とレバレッジ1倍のショートポジションを1:1で保有すること】と覚えてください。
そうすると、以下のように現物とショートが損失を±0の状態にしてくれます。
価格上昇時:現物で利益をとり、ショートで損失となる
価格下落時:現物で損失となり、ショートで利益をとる
ただし、利益確定(決済)しなければ、どちらも損失を被ることはありません。
■レバレッジ1倍のショートポジションとは
通常、ビットコインなどの暗号資産銘柄を取引することを現物取引と言います。
その一方で、将来の特定の日時、価格で取引することを決めておく契約方法をデリバティブ取引と呼びます。
デルタ・ニュートラルでは、デリバティブ取引の一種である無期限先物契約を利用します。
下の図は、先物取引のロングポジション(買い)とショートポジション(売り)による利益発生イメージです。
先物取引では、通貨の市場価格が下がったときにも利益が得られます。ただ、上の図では決済日がありますが、デルタ・ニュートラルでは無期限契約を使いますので決済日がありません。
デルタ・ニュートラルでは、通貨の市場価格が上がれば現物取引で利益を得られますが、ショートポジションで損失が生じます。逆に通貨の市場価格が下がれば現物取引で損失を被り、ショートポジションで利益を得ることができます。
厳密には、売買しなければ利益確定されませんので、利益がマイナスになる方の取引では利益確定せずに持ち続けておくことができます。
■資金調達率(ファンディングレート・FR)
無期限契約のショートポジションを保有する際に気を付けたいのが資金調達率です。ファンディングレートとも呼ばれます。
投資家は、定期的に資金調達率に基づく資金調達料を支払う、または受け取ります。この仕組みは、決済日のない無期限契約そのものの価格を調整するために存在します。
下の図は、無期限契約における資金調達料をイメージしたものです。
例えば、ロングポジションの投資家が増え、無期限契約の価格が現物(原資産と呼びます)価格を大きく超えた状態を想像してみてください(上図の一番右の赤点線時点の状態)。
この場合、資金調達料はロングポジションを保有する投資家からショートポジションを保有する投資家への支払いとなります。
Bybit(海外の取引所)では、資金調達料の支払いは8時間置きに実行されます。
この無期限契約の価格調整機能がなければ、ロングポジションの価格上昇が止まらずショートポジションを購入する投資家がいなくなってしまうため、投資対象として不適切な状況となります。
このような状況を避けるため、資金調達料の仕組みが設けられています。
無期限契約でポジションを保有し続ける場合には、この資金調達料の支払額にも気を配っておかないと、知らぬ間に支払額が大きくなり、損失を被る恐れがあるので注意が必要です。
一方で、価格上昇局面でショートポジションを保有することができれば、現物とショートポジションとのニュートラル状態(±0)を保ちながら金利(資金調達料)を受け取れるという旨味もあります。
このあたりのロジックを頭に入れておくと、投資ポートフォリオを増やすことができますね。
デルタ・ニュートラルの作り方(取引所:Bybit)
デルタ・ニュートラルはBybitという海外取引所が提供しているサービスである「インバース無期限契約」という取引方法を使います。
ここからは、Bybitにアカウント登録していることを前提に解説させていただきます。
デリバティブ→インバース契約と進むと、下図のようになります。右側にBTCUSD、ETHUSDなど8種類の通貨ペアが並んでいます。
インバースには、「逆の、反対の」などの意味があり、USDT無期限やUSDC無期限とはまた違った取引です。デルタ・ニュートラルではインバース契約の方を選択してください。
インバース無期限契約とUSDT無期限契約の違いは以下のとおりです。
■インバース無期限契約とUSDT無期限契約の違い
インバース無期限契約:BTCやETHなど暗号資産建てのポジション契約(証拠金が暗号資産)
USDT無期限契約:USDT建てのポジション契約(証拠金がUSDT)
現物をBTCで保有する場合、ショートもBTCで保有しなければ±0となはりません。ですので、デルタ・ニュートラルを作る場合は、インバース無期限契約を使います。
Bybitでデルタ・ニュートラルを作る方法を以下に簡単にまとめてみました。
まず、BTCをBybitに送ります。現物資産として保管されますので、これをデリバティブ資産に振り替えます(①②)。そこから、メニューのデリバティブからインバース無期限契約、BTCUSDなどに進み、デリバティブ資産に振り替えたBTCの50%をショートで注文します。
ショートで注文する際、の注意点は以下の3点です。
クロスマージンモードを使う:強制ロスカットされる確率を減らせます
レバレッジ1倍:現物と1:1の状態を作るためです
Post-onlyにチェック:手数料損失を減らすことができます
この3点については、上記の説明だけではわかりにくいと思いますが、基礎知識ですのでまた別の記事で扱いたいと思います。
最初は画面の見方などもわからないことがたくさんあると思います。また、先に書いた資金調達料の推移なども気になるところですね。
そのあたりの基本事項もまた別の記事で触れたいと思います。今回はひとまず、Bybitでデルタ・ニュートラルを作る手順までとさせていただきますね。
まとめ
今回の記事では、Bybitのインバース契約を使ったデルタ・ニュートラル戦略について説明させていただきました。
最後に簡潔にまとめてこの記事を終わりたいと思います。
■今回の記事のポイント
相場の価格変動は、投資家の需要と供給で決まる
今後の値動きが予測しにくい場合のリスクヘッジ手法として、デルタ・ニュートラルが使える
デルタ・ニュートラルは、Bybitのインバース契約で作ろう
どれも基礎的な理解が不可欠な内容となっていますが、根本的なことを理解することは投資のリスクヘッジにもつながります。
この記事では、できるだけ初心者の方にもわかりやすく書いているつもりですが、よくわからないところなどコメントいただければ別の記事で補足していきたいと思います。
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以上、ここまで読んでくださりありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。