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それもあなただ(小説まとめ)

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自作の小説をまとめたマガジンです。
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#ヒューマンホラー

なんか生きてたってみんな言うんです(小説)

 その夜は妙に客入りが悪かった。  隣町で祭りがあるからそれなりの売り上げを見込んでわざ…

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柴田彼女
1か月前
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おいしい隣人(小説)

 その、本当に言い出しにくいんだけどさ、最近極端に痩せてきている気がするんだけど……だい…

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柴田彼女
1か月前
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完璧な恋人(小説)

小説  マッチングアプリで知り合った、と他人に告げることに、なんとなく抵抗があるのは私が…

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柴田彼女
2か月前
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みんな私の邪魔をしている(小説)

 周りの人たちは因習だとか時代遅れだとか犯罪だとかいろいろ言っていたけれど、私は別にそれ…

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柴田彼女
2か月前
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悲しくておめでとう(小説)

 まだ上手に一人で歩けなかったころ、膝をすりむいて泣いてしまったある日の夜、父は家族三人…

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柴田彼女
5か月前
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偽物の朱夏(小説)

 教室の隅で、ずれた眼鏡を直しながら一人きりで人間関係に重きを置くライトノベルを読んでい…

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柴田彼女
5か月前
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そこにあるもの(小説)

 カロリーメイト、インゼリー、エナジードリンク、時々、カップ麺。  昼時の綿野くんの食事を見ていると、作業、という言葉が容易に浮かぶ。食べるのがそもそも好きじゃないのか、作ったり買ったりが面倒くさいのか、片手間で充分だと思っているのか。PCの画面を睨みながら、綿野くんはいつも嫌そうな顔をして昼食を摂っていた。  昼休みは食事時間込みで一時間ある。私は大抵お弁当を持参していて、綿野くんの隣でそれを食べる。  私は料理が好きだ。野菜や魚や肉が食料になり、食料が食材になり、食材が

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