マガジンのカバー画像

それもあなただ(小説まとめ)

25
自作の小説をまとめたマガジンです。
運営しているクリエイター

#掌編

おいしい隣人(小説)

 その、本当に言い出しにくいんだけどさ、最近極端に痩せてきている気がするんだけど……だい…

110
柴田彼女
2週間前
4

みんな私の邪魔をしている(小説)

 周りの人たちは因習だとか時代遅れだとか犯罪だとかいろいろ言っていたけれど、私は別にそれ…

110
柴田彼女
1か月前
3

悲しくておめでとう(小説)

 まだ上手に一人で歩けなかったころ、膝をすりむいて泣いてしまったある日の夜、父は家族三人…

110
柴田彼女
3か月前
3

指が立つ、火が灯る(小説)

 小指を立てる。小さな火が灯る。ほんの一秒か、それ以下か。  私に使える魔法は、たったそ…

110
柴田彼女
4か月前
1

しおりちゃんの家(小説)

 しおりちゃんの家はなんだか少しおかしい気がする。お母さんがいつも笑っている。突然遊びに…

110
柴田彼女
4か月前

せっしゃかわん(小説)

 わたしの田舎って、もう、ほんとうに、本物の田舎で。レンタルビデオ屋もないし、ゲームセン…

110
柴田彼女
7か月前

カーテン

 真白な室内へ陽光が真っ直ぐに差し込んでいる。看護師が濡れタオルで俺の顔を拭う。夏の熱気で彼女の顔が薄く赤らんでいる。不意に彼女が顔を背ける。ドアのほうを見ながら談笑する彼女は、一体誰と何を話しているのだろう。  事故当日の記憶は途中までで途切れている。  大型トラックの運転手だった俺は、その日も明け方の高速道路をかっ飛ばしていた。俯いて目頭を抑えていた時間なんてほんの数秒だったと思う。しかし再び開いた瞳に飛び込んできたのはそびえ立つ防音壁で、それは眼前まで迫っていた。避け

¥110

清潔な素肌

 汗をかいたあとの麻衣子は甘ったるい匂いがする。  若い女特有の、花のような、ミルクのよ…

110
柴田彼女
3年前
2

ラプラスのいうとおり

 朝テレビのスイッチを入れると、ニュースキャスターが「おはようございます。世界の終わりま…

110
柴田彼女
3年前
4

終末にて: 周目

 一時期若者のあいだで流行り、しかしとっくの昔に廃ってしまった音声配信ツールの新着リスト…

110
柴田彼女
3年前