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耳の聞こえない友達

若かりし頃、僕は車好きだった事もあり
毎週の様に休みの日にはドライブにでかけていました

高速道路のパーキングなんかに集まり始める頃には
自然と友達も増え
(もちろん、暴走族などの類ではありませんがww)

当時は皆、バイト代を奮発して乗っていた車をカスタムし
お互いのカーステレオを自慢しあったりする毎日

そんな中、いつものパーキングには、ひときわ目立つ集団がやってきます
後に彼らと友達になるのですが、初めて見た時には少し驚きました

カーステレオを爆音で鳴らし、車の中がとても派手に光っている
一見すると、それこそ暴走族ではないのか!?と思える程
威圧感のある何台もの車

しかし、車から降りてくると、至って真面目な好青年ばかりww

そのギャップに驚くのも束の間
彼らはおもむろに仲間同士で会話を始めたのですが

それが何と「手話」でした

あまりに驚いた僕は、思わず彼らに声をかけ

君たちはどこから来たのか?
君たちはどんな集まりなのか?
そして
君たちは何故聞こえないのに爆音で音楽を鳴らしているのか?

正直に質問しました

失礼なのは百も承知で

けれど彼らは、決して怒る事なくおだやかに
こう話してくれました

「僕らは耳が聞こえない、だけど大きな音で音楽を鳴らすと
体で感じられるんだ」と

僕は自分が驚いた事を恥じ、彼らに謝罪しました

手話に驚いたのは
「耳が聞こえないのに何故音楽を聞くのか」
という僕の勝手な思い込みで
その思い込みがいかに差別的で無礼な事だったのかを

けれど彼らは僕を責める事なく、音楽が好きな仲間だと
僕を受け入れてくれました。

それから僕は彼らと友達になり
少しばかりの手話を覚え
お互いに好きなアーティストや曲の話しを沢山しました。

あの頃彼らに教わった事は
今でも僕を正しい方向へ導いてくれます

耳の聞こえない友達が教えてくれた
音楽家にとって最も大切な事

音楽は感じるもの

   

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