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てきとうに暮らす日記 12

 用事があって、何日ぶりやろう、電車に乗って出かけた。ほんの数駅やけど。昼間の電車はがらがらで、1車両に4、5人という感じ。駅もがらんとしていて、こんな光景は初めてやなあと思う。ほぼ全員がマスクをしている。手作りっぽい布マスクの人もよく見るようになった。用事を終えて、すぐ帰ろうと思ったが、近くのお店に入ってちょこっと洋服を見てみた。店内も全然お客さんはいないし、街全体がとても静かだ。駅からの道の途中にあったスーパーだけ、自転車もたくさん停まってて人も多そう。とてもいいお天気で、そう今は春でとてもいい季節で、空も青くて、いい季節やのになあ、と繰り返し思う。電車は窓が開いていて、気持ちよい風が入ってくる。昔は電車の窓開いてたな、と思う。今も開いてるときはあるけど、もっとよく開いてた。季節がよいときは電車の窓開いてたほうがよいな。
 家で有意義な時間を過ごすのって難しい、とほぼ家生活18年ぐらいのわたしは実感してて、今の時期にたくさん本読んだり映画やNetflix見たり、なにか作ったりしてる人はえらいなあと思う。普段どういう生活してるんですか、と聞かれたら、だめな受験生の夏休みが終わらない感じ、と答えるのだけど、夏休みをめっちゃ充実して有意義に過ごしてた人もおるんやろうな、とはたと気づく。
 普段は通勤しているのに急に家にいないといけなくなって大変な人も多そう(通勤がなくなって家のほうが楽な人もたくさんいると思う)。特に東京みたいな人が密集してる大都市だと条件のいい部屋を探すのは難題で、平日は寝に帰るだけになっちゃうから、と日当たりだとか昼間の環境は重視しなかった人もいるやろうし、周りも状況が変わってるから思わぬ騒音があったりするかもしれない。わたしは東京で最初に住んだ部屋の真上の人が普段は全然静かなのに「ガキの使いやあらへんで!」だけは爆音で観てはって、鉄筋コンクリートで隣じゃなくて上やのに全部の言葉が聞き取れるほどの大音量やってんけど、日曜の夜のこの30分を楽しみに暮らしてはるんやろうなと思って山崎邦正の声を聞いていた。あのときは一人暮らしも初めてで東京での生活もどうなるかわからんからとりあえずで決めた1Kで、悪くはなかったけど、一日中同じ部屋で同じ机でごはん食べて仕事するのはこもる日が長くなるとちょっとしんどかった。台所も、IHが一つにシンクはフライパンが洗えない小ささで、料理に慣れている自分でも(というか家族用の台所に慣れていたからこそ)難しかったし、お皿を割ったりするとなにもかもいやになった。
 だから、おうちの時間を楽しもう、充実させよう、みたいになっても、その部屋も人の生活スタイルも全然ちゃうし、そんなに簡単なことではないよね、と思う。ずっと一人でしんどいこともあれば、家族と暮らしててその全員に自分だけの空間があるわけじゃないっていうしんどさもあるやろうし。
 というわけで、今日の写真はどん兵衛です。「日清の汁なしどん兵衛 釜たま風うどん」。いやー、これはもう劇的においしかった。パッケージの写真は卵黄がのってますが、付いてるのは卵黄っぽいタレで、こういうのは最近納豆で付いてるやつあるよね。麺を湯切りした後に、だしとタレを混ぜるスタイルですが、期待の10倍ぐらいおいしかった。どん兵衛の麺がとにかく好きやしね。そしてわたし、インスタント麺は日清信者です。大阪なので、日清食品、ハウス食品、グリコ、ローソンを支持しています。フルーチェもプリンエルもハウス食品やし。どん兵衛は子供のころから大好物で、今のよくできたふんわり揚げも好きですが、昔の薄いしなっとした揚げもよかったです。どん兵衛以外は袋麺派で、今のラ王もたいへん良いです。特に冷やし中華。あの麺だけ延々と食べてもいいね。袋麺に野菜とたまごを入れるのは日常食で、よく「サッポロ一番」が挙げられますが、わたしは断然「エースコックのワンタン麺」です。エースコックも大阪の会社です。本社は江坂です。東京はやはり明星食品やサンヨー食品の牙城であって、エースコックはスーパーカップシリーズはあるんやけど「エースコックのワンタン麺」はなかなか置いてない。あのなんも入ってないワンタンが食べたいなあ。
 「よう知らんけど日記」でもインスタントやコンビニの食べもののことを書いてたら食生活を心配されたことがありますが、毎食ではないし、それなりに野菜足したりしています。でもほんま、そういうのも、この状況下でも食品がすぐ手に入れられて、さっと料理できる環境にあるからやんな、と思います。
 明日は警報が出るほどの大雨の予報で、そのせいか、人が少なくなる閉店間際の時間に行ったスーパーは、肉も野菜もからっぽに近くなっていた。

(4月16日のぶん)
 

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