【毎日投稿】8日目・おススメ漫画レビュー

今日はちょっと趣向を変えて、最近読んだり好きな漫画についてレビューしていこうと思う。

メジャー作品からマイナー作品まで、ジャンルもバラバラだけどどれも面白いんで機会があったら読んでみて。

・ガチ恋粘着獣

これはガチ。
Youtuber的な活動をするネット配信者とそのファンの心理やら何やら、かなり詳細に描写されている。

界隈内で危険視されている、いわゆる「厄介ファン」「ガチ恋勢」に悩まされる活動者。
数字が取れれば何してもいいのか。
いい子ちゃんで活動しているだけでいいのか。
ファンサービスと特別扱いの境界線とは。

ガチ恋ファン側も一緒くたに出来ない、様々なタイプの人が出てくる。
しかもそれが「シンプルな厄介者」としてだけじゃなく、一人の人間として何を考え、そういう行動に至ったのかを生生しく表現していてぞわっとする。理解はできないけど「ああ、そういう思考回路でこういう行動する人いそうだよね」と思わせてくれる。
俺自身Vtuberとかライバーを多少観る人間だから思う事なのかもしれないけれど、
「あー!いるいるこう言う奴!」
「活動者ってこういう事思ってそうだわー!」
という「それな感」を感じる事が出来る作品。

画風は、綺麗なんだけど独特なタッチで引き込まれる。
キラキラした部分と狂気の部分のグラデーションが秀逸。
ストーリーもテンポが良くて読み心地抜群。

現在コミックス最新刊は8巻。
まだ間に合う。

・しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~

SNSにどっぷりつかっている現代人全員に読んでほしい一作。

「プロバイダ責任制限法」の改正や侮辱罪の厳罰化が一時期話題になったが、正直「まあ、俺(私)には関係ないっしょ」と思う人も多いのではなかろうか。

いやいや、これはネットで何かを発信する人全員に係わる事なんですよ。
そう教えてくれるような作品。

作中では主にブロガーやネット配信者など、不特定多数の人に見られる様々な人が「誹謗中傷」に晒され、悩み、立ち向かう話。
主人公である保田弁護士は、一見無気力で役に立たなそうな雰囲気だけど、豊富な知識と冷静な分析で被害者(相談者)に力を貸してくれる。

弁護士とか法律の作品だと、よくあるのは熱血系の法律家が主人公のもの。
「きっと、あなたの無罪を証明して見せます!」
「法律はあなたの味方です!この裁判、必ず勝ちましょう!」
みたいな。それ系のドラマや映画も大好きな俺だけど、この「しょせん~」はそれらとは一線を画す。

一般人にはわかりづらい開示請求などの手続き、調停や裁判の事を「ハッキリ言ってめんどくさいですよ、お金もかかりますよ、ほっといた方がいい場合もありますよ」とキッパリ言ってしまう様な感じ。
それでも戦うと決めた相談者に対しては、弁護士として自分のできる限りのことをしてくれる保田先生。

「自分は大丈夫」と根拠なく思っている人の、なんと多い事か。
「イジメじゃなくてイジリだよ~」
「大丈夫!言う人をちゃんと選んでるから!」
「その場のノリで言ってるだけだから。皆言ってるし」
「冗談のつもりだったんだけどw本気にするとは思わなかったわw」
こういう事言う人、ハッキリ言って俺の周りにも2万人くらいいる。
嘘、20人くらいはいる。

世の中がだんだん「被害者の泣き寝入り」で済ませない方向で法律を整備しだしている。ガチでヤバいよ。
ネット全盛の現代に向けて、やっとテコ入れが進んできている。
そういう世の中の「現代病」とも言えるネットのトラブルをリアルに描いた作品。マジで面白い。

現在は3巻まで発売中。
今がチャンス。

・三十路病の唄

オーバー30の人。
アラウンド30の人。
ある程度長い期間、夢を追い続けて少し疲れてしまった人。

刺さるぞ、この作品は。
心の深~いトコロにぶっ刺さるぞ。

三十歳にして、夢を追うために集まった同級生たち。
夢の形も方向性も様々、周囲の目は冷たい。
「いつまでそんな夢みたいな事言ってるの?」
夢追う三十代に、世間は厳しい。それがリアル。

何度も折られそうになる心を奮い立たせて、仲間同士で叱咤激励し合って頑張るお話。
と、ここまでなら「あーあるよねそういう作品」と思う人も多いかもしれない。いやいや、この作品は違うのよ。
ここからが大事なのよ。

がむしゃらに夢を追い続けるだけじゃダメだ。
だって俺たちはもう「三十代」なんだから。
十代、二十代の若者たちと同じ夢の追い方じゃダメだろ。
三十代には三十代の夢の追いかけ方があるぞ。

そういう「現実も見据えた夢との向き合い方」に悩む登場人物たち。
妥協するのか。
夢の形を変えるのか。
諦めるのか。

「いくつになっても夢を見たっていい」という綺麗ごとと、
「それでも、夢を追うのに年齢は関係ある、若い方が有利なのは当然だ」という苦い現実。
その両方がブレンドされたキャラクターたちの苦悩とか葛藤が、マジで読んでて突き刺さる。
悩みながらも、自分を奮い立たせて進んでいく三十路病のキャラクター達が全員魅力的に描かれている。

カタルシスも随所に散りばめられてはいるが、基本的には「考えさせられる系」の作品。いい意味で「重い読後感」を味わえる。
あと、出てくる女の子がだいたい可愛い。しばにぃはオカンが好き。

現在は既刊1~4巻。
全ての夢見る三十代とアラサー、これは買っておこう。

・まとめ

3作品を独断と偏見で紹介してみた。
この三つの作品に共通するところは「現代における、昔にはあまりなかった問題や現象、価値観を取り扱っている」ところ。

配信者という、芸能人とは違う「身近感のある」有名人。
気軽に使えてしまうが、全世界に発信されて永遠にデジタルタトゥーとして残るSNSというアイテム。
発信の方法が増え、世に出やすくなったおかげで大人になってからでも夢を叶える事が可能になった。そして、その現実によって「いくつになっても諦めきれない呪い」を受ける大人が増えている。

これからもこういう「現代ならではの事柄」をテーマにした作品は増えていくと思う。
すでにTwitter漫画などではそういう作品もあったりする。

暇があったら3作品とも是非読んでほしい。

まだまだ紹介したい作品はたくさんあるので、そのうち第二弾をやるつもり。

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