インプットとアウトプット
例の感染症が広がって以来、バーチャルの世界が自分の生活の中に大きく食い込んできていることを感じる。時間的にも、精神的にも。
そしてきっとそれは、俺だけではないだろう。
自分の生きる世界や、精神的な依存度が、どんどんバーチャルの方に傾倒して行っている事を感じている人も多いと思う。
リアルで人と会えない分、配信による双方向のコミュニケーションを取れるREALITYでの交流は、人恋しい現代人にとって、大げさではなく心の支えとなっているのではないだろうか。
人によっては休日に家で一人きりでいれば、1日中言葉を発しない事もあるだろう。俺のことだけど。
配信でコメントの仲間と他愛もない話に興じるだけで、心の平穏を保っている人も多い事だろう。全員が全員、夢を追うライバー志望という訳でもないのだから、そういう目的で配信を行うのも、素晴らしいアプリの活用法だと思う。
ただ、現代の生活スタイルで配信を続けると、ある問題にぶち当たる。
話題の枯渇だ。
外に出ず、人との交流もなく、漫然とルーティーンをこなすだけの生活を続けている中でまいにち配信していると、次第に話題のバリエーションがなくなっていく。
日々の自分の中の引き出しを開け続け、「あれ?この話前も配信でした気が…」と不安に駆られる。そしてそんな気がした時は、たいてい前にもその話をしてしまっているのだ。
そうなってしまうのも無理はない。
不要不急の外出自粛によって、新しい体験と出会う機会は格段に減っている。※自粛自体についての是非は本筋と関係ないので言及せずにおく
新しいインプットが出来ない中で、配信というアウトプットを続けていればストックが底をつくのは当然だ。
だからこそ、配信者はアンテナを張り続けることが必要だ、としばにぃは思う。お笑い芸人がネタ帳を持ち歩き(最近はスマホのメモ機能か)町を歩いていても面白いエピソード、ネタになる事をどん欲にキャッチしようとするのと同じことだ。
あ、これ配信で話したら面白いかも。
あ、あの事について皆の意見を聞いてみたいな。
現在は状況が状況なので、外をうろうろ歩いて情報を集めるわけにはいかない所だが、通学・通勤の最中や必要な買い出しの行き返りなど、「配信者としてのアンテナ」を張って歩いてみてもいいかもしれない。
あとは、テレビやネットニュースや新聞、YouTubeで情報を仕入れるのもいい。
世の中の出来事については(特にネットは)真偽を確かめる必要があるが、ひとつの話題の投げかけとしてはとても有用だ。※ただし、政治と宗教と野球の話は慎重に!
本もとても良い。電子書籍でも紙の本でも、一つの事に関して専門的に書いてある本は自分の知見を深めてくれる。
映画やドラマ、アニメや漫画だって素晴らしい。新しい物語を見るのは腰が重い、年齢を重ねるほどそういう気持ちが増していくが、「配信のネタのため」という理由をひとつ乗せれば、追ってみたい最新作や、前から気になっていたけど見る機会のなかった作品に触れるふんぎりがつくかもしれない。ちょっと不純な動機な気がしないでもないが。
頻繁に生配信を行うYouTubeの公式ライバーさんなどは、膨大なアウトプットをしていかなければいけない中で、そのスピードに負けない様に日々インプットの努力をしているのではないだろうか。
狭く深いインプットを突き詰めれば、そのジャンルの話題のスペシャリストに。
広く浅くインプットをしていけば、誰の話題提起にもついていけるオールラウンダーになれる。
勉強のために、とか、人並みの常識を持つために、とか、そう言った理由では本やニュースに触れるのはどうしても腰が重くなってしまう。
しかし、今自分が大切にしている「バーチャル」という世界の中で、皆と楽しく過ごすために自分の引き出しを増やすという目的意識があれば、それらに触れていく気持ちにもなるのではないだろうか。
思えば学生の時もそうだったではないか。
漫画やアニメやドラマを視聴する理由は、そのコンテンツ自体が好きという事はもちろんだが、もう一つの理由として、次の日に学校でクラスメイトとその話題で盛り上がりたいという気持ちがあったはずだ。
人と繋がりたいという理由で様々なコンテンツを自分の中に取り入れていくのは、素晴らしい事だと俺は思う。
勉強のためにでなく、教養のためにでなく。
アウトプットのためのインプットだっていいじゃないか。
だって、配信者なんだから。
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