雑談は最も技術を要するトークである

このタイトルにドキッとした配信者は多いのではなかろうか。

配信において「雑談配信」「まったり雑談」と書かれているタイトルの、なんと多い事か。しかし、配信というコメント欄と会話するシステムで、雑談のハードルは結構高い。

話が途切れてしまえば場は静かになるし、沈黙が続けば視聴者も去ってしまう。しかし、みんながみんな、ずっと何かを話し続けていられるラジオDJの様なスキルを持っているわけではない。

「でも、大手さんで雑談中心の人は多いじゃないか!大手は全員ラジオDJみたいなスキル持ってんのかよ!」

という声がどこからか聞こえてきた。間違いなく幻聴だが、その意見は正しい。

もちろん、大手の人は大手になるべくしてなった人ばかりで、それぞれが高い能力を有しているのがほとんどだ。

しかし、REALITYという配信アプリにおいて必要なトーク力というのは「自分から話題を発信していく力」とは少し違う。

コメントとの会話で必要なのは「コメントに対するレスポンス能力」だとしばにぃは思っている。

自分だけが喋る様なラジオ形式の配信スタイルよりも、コメントに対して受け答えをする配信スタイルが好まれているのが現在の傾向だ。そして、それはこの先もしばらく雑談配信の流行は変わらないと思っている。

集客が上手くいっていない配信者が「コメントさえもらえれば喋れるのに…」「大手さんはコメントが途切れなくていいなぁ…」と言っているのを何度か聞いた事がある。

その気持ちは痛い程理解できる。

コメントがなくなると「何をしゃべればいいんだろう」「もうこの枠には誰もいないかも知れない」と不安になる気持ちは本当に同意する。

しかし現実に、コメントをたくさんもらっている大手の配信者が楽かと言われると、そうではない。

前述した「コメントにレスポンスする能力」は「自分で話題を提供し続ける能力」とは別ベクトルで技術を要するものだ。それぞれが全く違う話題をし続ける濁流の様なコメント欄を捕まえ、即座に相手が求めるコメントを返すというのは、それはそれで高い技術を要求される。

タイプが違うだけで「話題提供力」と「レスポンス力」はどちらも稀有なトークスキルなのだ。そして、個人の見解ではあるが、レスポンス力のある配信者はたいてい自分から話題を提供する能力も高い。頭の回転が速く、相手の求める返しを判断する洞察力が高く、言葉のチョイスもうまい。

ここからはしばにぃの勝手な提案ではあるが、コメントへのレスポンスで配信を回していきたい配信者は、修行だと思って話題発信型の雑談配信をしてみてはどうだろうか。

REALITYで有名になれば、いずれはYOUTUBEデビューなども視野に入れる人もいるだろう。YOUTUBEで配信している公式ライバーの配信は、ほとんどコメントなど読めない程に速く流れている事ばかりで、自分で話題を発信していかなければ配信が成立しない。当然と言えば当然だが、ほとんどの公式ライバーが話題発信力を持っているという事なのである。

いずれどこかの事務所に所属して公式ライバーになる目標があるのであれば、「話題発信力」と「レスポンス力」はどちらも必須となる両輪だ。

「話題発信力」はYOUTUBEなどのライブ配信に。

「レスポンス力」は他のライバーとのコラボ配信に。

どちらも必ず、夢を抱いて頑張るあなたへの力となるはずだ。

「話題発信力」が自分の中に無い、足りないと思う配信者の方にはぜひ「テーマをもって話す」という事を提案したい。

「今日起こった楽しかったこと」「好きな食べ物について」「好みの異性のタイプ」「感動した映画の話」

テーマは何でもいい。なるべく自分が長く話せそうなテーマを事前に決め、それについて軽く頭の中でリハーサルをするだけで、雑談力は格段に上がる。

そしてイザとなれば「みんなはどう?」と聞き返せる。

今の自分に足りない能力は、準備や工夫で埋めていけばいい。雑談力が低い自覚があるならば、話題が途切れない様に脇にテーマをメモして置いておいてもいい。ていうか、多分公式配信者もある程度そういう話題ノートを脇に置いているんじゃないかと、しばにぃは思っている。ノープランで2時間3時間話せる人間が、そうざらにいてたまるか。

テーマを持って話すという事が癖付けば、きっといつか何も用意せずにトークを展開する力がきっとあなたの中で育つはずだ。

あなたの話を待っている人が一人でもいるのであれば、その努力はこれ以上なく尊い。

あなたの声が、トークが、世界のどこかの視聴者を間違いなく幸せにしています。

一生懸命に楽しい配信をファンに届けている、全ての配信者に敬意を込めて。

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