【朗読用素材】またあえるから

気付いていました。

他の人と話していても、私の方に視線を向ける、貴方の事。

私は貴方に話しかけることは出来ないけれど、あなたに選ばれるのを待っていました。

貴方は、私の温もりが好きだと言ってくれました。

私は、貴方の包み込むようなその手が好きでした。

貴方は時折、私によく似た私ではない誰かと一緒にいましたね。

私が冷めていたから。

貴方はそういうけれど、違います。

温まるまでに、少し時間がかかるだけ。

もうすぐ春。出会いと別れの季節。

今よりも貴方といる時間は減ってしまうけれど、大丈夫。

冬になったら、また私に会いに来てね。

私は、この部屋の中でずっと貴方を待っています。

あなたが暖かい春を、暑い夏を楽しんでいる時、私の姿はないかもしれません。

でも、忘れないで。

冬になったら、また会えるから。



肉まんより


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