見出し画像

【インド映画】Animal(2023)

監督: サンディープ・レッディ・ヴァンガ
出演: ランビール・カプール、アニル・カプール、ボビー・デーオル、ラシュミカ・マンダンナなど
上映時間: 3時間20分

現在公開中の話題作「Animal」、遂に観に行きました!映像や音などかなり大掛かりな映画で、歴代興行収入は既に9位を記録しており、今年大ヒットしたシャー・ルーク・カーン主演の「Jawan」や「Pathan」にも迫る勢いです。

ただ興行収入とは裏腹に内容に対しては批判的なレビューが多く、逆にどんな内容なのか気になります。個人的にはそんなことより上映時間のが問題なんですが(笑)。3時間20分て!久しぶりに歯ごたえのあるインド映画です!

ストーリーはデリーで鉄鋼会社を営む父バルビール・シン(アニル・カプール)と、息子のヴィジャイ(ランビール・カプール)が中心。ヴィジャイは一流のビジネスマンである父を大尊敬しており、学校の授業を抜け出してまで父の誕生日パーティーに参加するほど彼を愛して止みません。一方のバルビールは仕事で忙しく、ヴィジャイに対して愛情を注ぐことができていません。

ヴィジャイはメチャクチャ気性が荒く、学生時代には妹が学校でいじめられたことを知ると、教室内で銃を乱射して生徒から犯人の居場所を聞き出し、バイクで逃げる犯人グループを車で轢き倒すという暴挙を働き、愛する父にアメリカの寄宿学校送りにされます。アメリカからの帰国後にも、妹の婚約者に暴言を吐き、またしても父にアメリカ行きを命じられます。

ヴィジャイは寄宿学校時代のクラスメートであるギタンジャリ(ラシュミカ・マンダンナ)と結婚し、二人の子供とアメリカで暮らしていると、父が暗殺者に銃弾を2発撃たれたとの知らせを聞き、父の敵を討つためにデリーに戻り暗殺者を探す。

感想としては、かなり優れたスリラー映画だと思いました。とにかくメチャクチャグロくて怖い!!R18指定なだけはあります。
映像も最先端で素晴らしいのですが、白眉は音楽・効果音。緊張感を煽るための音が非常に効果的で、ヴィジャイの耳鳴りの音・耳が聴こえなくなったときの音も臨場感が凄く、本当にその状況を体験しているかのようでした。

そして音楽が作品を通してずっと素晴らしかったです!音楽だけでいえば、今年観たインド映画の中で一番良かったかも。
父親への狂気的なまでの愛を表す「Papa Meri Jaan(大好きなパパ)」、敵軍を銃で撃ちまくるシーンで歌われるパンジャビソング「Haiwaan(野獣)」、最後のアブラール(ボビー・デオル)との決闘中に流れる「Saare Duniya Jalaa Denge(世界中を燃やし尽くせ)」、どれもこの映画の世界観を凄く的確に表現しています。


アブラールの登場シーン(結婚式)で使われていた音楽「Jamal Kudu」も、聴かない日はないほどインドで流れまくっています。こちらはイラン系の曲らしいです。この音楽もどこか怖さを感じるんですよね。


ストーリーもアクション系にしては、雑になりすぎずしっかりしていた印象。展開も先読みしずらいですし、ギタンジャリが父を愛しすぎるヴィジャイに物申すシーンなど山場もしっかりありました。あのギタンジャリの一言が、最も核心を突いていたと思います。

俳優陣の好演も目立ちました。特に主演のランビール・カプールは肉体から顔つきから、かなりキャラクターを仕上げてきた印象。ヴィジャイの迫力がこの映画の説得力に関わってくるので、十分にその役割を果たしていたと思います。
ボビー・デオルもよかったですね~。少し狂気的な演技と、衰えない肉体から繰り出されるアクションシーンも健在。まさにハマり役だったんじゃないかと。

「Animal」は優れた映像技術と、素晴らしい音楽&効果音によって作り上げられた、最先端のアクションスリラー映画。上映時間は3時間20分と長いですが、だれるようなシーンはほぼ無く、ずっと面白かったです。
ただ完全18禁のグロ映像のオンパレードなので、そういうのが苦手な方はご注意を。インドで批判的レビューが多いのもそこが原因かも。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?