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【インド映画】Mr. India(1987)

監督:シェーカル・カプール
出演:アニル・カプール、シュリデヴィ、アムリーシュ・プリー、アンヌ・カプールなど
上映時間:2時間59分

インドでは誰もが知る名作「Mr. India」初鑑賞。今まではどのプラットフォームにもなかったのですが、最近Zee5にて鑑賞できることが判明したので、すぐさま登録して観ました。

主人公のアルン(アニル・カプール)は幼少期を孤児として育ったストリートバイオリニスト。現在は古くて大きな家を借りて、10人の孤児たちとシェフのカレンダー(サティーシュ・コーシク)と暮らしている。しかし自身の収入では家賃を払うことができず、1階の部屋を貸し出すことに決める。そこを借りることになったのはジャーナリストのシーマ(シュリデヴィ)。10人の子供を住まわせていることは伝えず、半ば強引に引っ張ってきた。シーマは最初こそうるさい子供たちといがみ合うものの、次第に仲良くなる。

シーマから貰った家賃でアルンは滞納していた家賃を返済する。貸出人のダカとテージャはまさか返済できるとは思っておらず、既にその土地は彼らのボスであるモガンボ(アムリーシュ・プリー)が使用予定であった。彼はインド征服を企む極悪人で、アルンの家を武器や弾薬の倉庫にするつもりである。ダカとテージャはモガンボの命令で孤児たちに暴力をふるい、アルンに2日後に家を空けるように脅しをかける。

困り果てたアルンであったが、彼の父の友人のシンハ教授から「透明人間になる腕時計」の存在を教えてもらう。アルンはその腕時計をつけてスイッチを入れると透明人間になる。彼は透明になってダカとテージャに制裁を加え、自らをインドを救う正義のヒーロー「Mr. India」と名乗る。

昔の映画ということで上映時間は約3時間と長めで、正直序盤は「このシーン長すぎるだろ」とか思うこともありましたが、最終的にはかなり楽しめました!どのシーンもしっかり伏線になって後半の展開に繋がっているし、キャスティングもピッタリといったところ。1987年の映画にしてはかなり完成度が高い。

この映画はやはりアムリーシュ・プリーを語らずにはいられません。作中で彼が頻繁に発する台詞「モガンボ、クッシフアー(モガンボは嬉しいぞぉ)」はインド映画における一番の名言と言っても過言ではありません。僕がこの作品を観たかった理由も、一番はこのシーンが見たかったからです。本当に何回聞いても笑ってしまいます。モガンボ…の後にちょっとタメがあるのがいいですね(笑)。言い方のバリエーションも豊富です。

このモガンボというキャラクター、奇跡のバランスで成り立っているなと。観客に圧倒的な恐怖を与えながら、どこかおもしろい。独裁的で残忍な男だけど、どこか滑稽でもある。恐怖と笑いを共存させることって、並みの演技力では不可能です。この役を演じられるのはインド、いや世界中でアムリーシュ・プリーただ一人じゃないかと。インド映画界のレジェンド中のレジェンドです。

アニル・カプールはこれまで見た彼の作品で最もハマり役です。コミカルで心優しいヒーローってのが彼の最適解なんだなと。インドの庶民を代表するようなキャラクターもバッチリはまっています。シュリデヴィは安定の可愛さ。特にチャップリンになりきって賭博場に入っていくシーンは最高にキュート。

シュリデヴィ

ストーリーも分かりやすいし、アルンがインド市民代表のような立ち位置であるのが、国民から絶大な支持を集める大きな理由だなと。タイトルの「Mr. India」とはまさにそのこと。本当によくできています。

「Mr. India」は主人公のアルンが透明人間になり、インド市民の代表として悪に立ち向かっていくコメディ映画。ストーリーもおもしろいし、アムリーシュ・プリー演じる伝説的キャラクター・モガンボは必見!「モガンボ、クッシフアー」を使いこなせるようになったら、インドで人気者間違いなしです!!

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