見出し画像

【洋画】ローマの休日(1953)

監督:ウィリアム・ワイラー
出演:グレゴリー・ペック、オードリー・ヘプバーン、エディ・アルバート
上映時間:1時間58分

オードリー・ヘプバーンのデビュー作「ローマの休日」鑑賞しました。

ヨーロッパ某国のアン女王はヨーロッパ各国を訪問中。最後の滞在先のローマで、多忙で堅苦しい業務に嫌気が差して、ヒステリーを起こす。担当医は彼女を落ち着かせるために鎮静薬を投与するが、彼女は夜中にこっそり宮殿を抜け出してしまう。

外に出たはいいものの鎮静薬の効果が出て、彼女は道端で眠ってしまう。そこにギャンブル帰りの新聞記者、ジョー・ブラッドレーがやって来る。彼女を外に置いていく事もできず、タクシーに乗せるが、彼女は意識朦朧としており家の住所を聞き出すこともできない。ブラッドレーは仕方なく彼女を自宅に連れて行き、ベッドに寝かせる。

次の日の朝ブラッドレーは彼女を置いて職場へ向かう。彼は今日執り行われる予定のアン女王の記者会見に出席予定だったが、王室は彼女が体調不良で会見を延期すると発表した。ブラッドレーは新聞記事の写真を見て、昨晩連れて帰った女の子がアン女王であると気づく。会社内で地位の低いブラッドレーは、彼女からうまく独占取材を取り付け、一攫千金を狙う。

宮殿での生活に嫌気が差したお姫様が、街に飛び出して騒動を起こすという、かなりの王道物語。大まかなストーリーは予測できるのですが、細かいところの演出であったり、ストーリーの舵の切り方が秀逸で、凄く好きでした。

最初の王女の人間らしさを描くシーンの演出はすごく良かったです。あれの見せ方って色々あると思うんですけど、足が痒くなってスカートの下に隠れてもう片方の足で掻くって、すげーいいセンスだなと。物語で最初の大きな展開で、実はすごく肝心なシーンなので、きっと熟考の末に決めた演出なんだなと!

最後の20分は痺れました。このラストシーンにおいて、実は直接的に恋心を表す言葉は一切ないのです!すべてアクションとサブテキストで見せています。特に最後の囲み取材は見事。アン女王とブラッドレーは外見的にはヨーロッパ国交について言葉を交わすのですが、その実際の中身は彼らと、視聴者の僕たちにしかわからない。映画のいちばん理想的な見せ方です!

その後の記者の質問に対するアン女王の答えも言わずもがな最高ですし、最後のアン女王の記者団への握手でうっすら涙を浮かべる二人も素晴らしい。グレゴリー・ペックとオードリー・ヘプバーンの演技も見事です。

そして終わり方が凄く好きでした!我々はきっと最後にアン女王が出てくるか否かで心を揺さぶられていたことだと思いますが、あそこの選択は個人的には嬉しかった!この終わり方にセンスの良さが出ています。

「ローマの休日」は王道ラブコメの原点ともいえる不朽の名作。コミカルな展開はもちろん、細かい演出や作品の方向性など、凄くセンスがいい!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?