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文芸部 ②

 文芸部の活動は図書準備室の作業台で行われます。図書委員を兼任する部長がエアコンの電源を入れます。それぞれ持ち寄った自作のコピーを配りますが誰も前作さえ目を通していないのです。
ことん。
書架のあいだで音がしました。あの子は普段保健室にいるはず。今日は図書室で調べ物でしょうか。不意に鼻を突くアルコール臭は泥酔した崩壊学級の担任で、通路に横臥しています。放っておきましょうと文集の編集に忙しい部員たちは見て見ぬふり。
 そこに現れた顧問の国語教師を見て心底驚きました。私がここに棲みついて七不思議の一つとして恐れられるようになった原因はあの先輩です。告白を拒んだ私はエアコンの切れた部屋に閉じ込められたのです。
 早くここから出ましょうと私は保健室少年を促して秘密の通路から脱出を試みます。少年は私を見て何かを叫びましたが構っていられません。あとで頭の中を再生してみると、
「きな臭いよ、先生のタバコの火だ」
と言っていたのでした。

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