街クジラ ④完結編
街クジラない、街くじる。待ちくたびれたころ友だち一覧から消していなかったキミのアカウントから通知があった。9時だった。
『やあ。言い忘れたけどあのクジ当選していたんだ。今日自分の店を開業した』
街クジラと呼ばれからかわれていたキミ。陰で仲良くして日向で無視していた僕。街クジラない、まぢくじらない、マジ下らない。クジラのくせに街に住もうなんて100年早いぜ、みんなは馬鹿にしていたよね。あんなことを言いながら彼らもこっそりキミと遊びたがっているんじゃないか? このメッセージだって個別に他のやつらに送信されているんじゃないか? そんなことを考えている僕もかなりのクジならぬクズだよね。
迷ったけれどキミの店に行くことにしたよ。大きな暖簾に藍染めで「MACHI」「鯨」? ちがう「魚京(うおきょう)」すごい。街なんか通り越して都じゃないか。常連になるよ、みんなにも教えてあげないとね海の上でさえなければ。
401文字
こちらに参加しています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?