中原さんnote

シバジムって一体???

このnoteのタイトルは、「社長が主役の副社長日記」ということみたいです。

私は柴田陽子率いる柴田陽子事務所・通称シバジムに2011年に入社し、現在約10年が経ちました。現在シバジムは16年目。社員は私たちコンサルチームで約20名、昨年別会社化したアパレル事業に4名。半年前に急に副社長に任命いただき、目を白黒させているうちに時は流れ、素晴らしいキャリアの方がどんどん入社し、新しい風がビュンビュン吹きながらも、その一環で、「ちゃんとSNSをつかって発信をしていこう」という方針に成り、古豪である私が筆を執ることになったのです。

シバジムのビジョンは「道の真ん中を歩こう」なのですが、私はちょっとヒール的というかはっちゃけられない性格ですし、発信者としては不適切かと思うのですが、シバジムとはどんな会社で、柴田陽子は何なのかということ、以外と外から見ると分かりにくい存在のようなので、このnoteを通じてお伝えできたらという趣旨になります。
ちなみに、シバジムのビジョン「道の真ん中を歩こう」という言葉は実に柴田さんらしく、シバジムらしいので、またの機会にご紹介したいと思います。

シバジムって何?という基本の「き」的なことについて、私がなぜシバジムに入社をしたかということと共に、お伝えできればと思います。

私は大学では日本文学、その中でも中古文学(平安文学)を専攻し、源氏物語で卒論を書き、ニッチ且つつぶしが効かなそうな経歴を静かに楽しく積み重ねていました。母校と日本文学が大好きだったので、当然国語の教員になろうと思って教育実習をするのですが、教職がまったく合わないことを察知し、なんとか中堅の広告会社に入社をしました。

入社してとても驚いたのですが、広告はとてもクリエイティブだと思っていたのですが、事実は違ったのです(前の会社の方、ごめんなさい)。例えばとある年間キャンペーン。私たちのところに下りてくるころには、予算や大方針やるべきこと、一通りの与件が決まっています。そして相手は先方の企業の販促の担当者なので、「なぜこれをやる意味があるのか?」「こっちの方が効果的と思うが変えられないのか?」という川上を遡ろうという姿勢は担当者の管轄外になるので、基本的には好まれない。当然クライアントの中でも業務領域や使える予算は決まっています。泳げるプールは小さく、予定調和が好まれ、何色がいい、●●部長が好き、嫌い、で判断される、その中で広告会社はいかに「気に入られるか」が肝であり、思考を深める事を望まれていなかったというのが当時の環境でした(広告会社全般ではなく、あくまで私の一部の仕事です)。
例えば予算が5千万円あったとして、地方のショッピングセンターで毎月小さなイベントやをすることに意味があるのか。イベントに触れる人が何人いて本当に売上につながるのか。これまでそうだったから。ではなくて、なぜやるのか?それだったら2Fの空きスペースにカフェテーブルなどの共用部を作ったほうが、汚いお手洗いを改装したりキッズスペースを作ったほうが、お客さまに喜ばれ集客できるのではないか。でもそれは私たち広告会社の食い扶持をゼロにする提案なので、そんなことは言ってはいけなかった。これ、やって意味あるのかなあ~と心の中で思いつつ、やりましょう!と二面相で与件を打ち返す日々。クライアントとは完全な上下関係。

そんな中、出逢った柴田陽子事務所は驚きの連続でした。

「社長、正直に申し上げると、これダサいです」
柴田さんが、恐らく周りの側近の方が心で思っていても口が裂けてもいえなかったことをさらっと言うのを見て、心底びっくりしました。
「柴田さん、そう思う?じゃあどうしたらいいと思う?」
「例えば、こういうのはどうですか・・・」
普通の人だったら角が立ちまくるような発言を、柴田陽子という人は、持ち前のキャラクターなのか、タイミングの妙なのか、絶妙に差し込むことができる能力があります。それは、柴田さんの才能の一つだと思いますが、10年選手の私もなかなか真似できることではありません。その一言が、相手を否定するニュアンスや、自分の権威を示したいというよこしまさ、そういう気持ちから発信される言葉ではなく、心から相手のベストを探る上での、真実を語ったピュアな言葉だから、先方は受け入れてくださるのかもしれません。(同時にコンサルティングという仕事の上で、ベストなタイミングで真実を言わないことは罪なのだとも思います。)

シバジムでは、ワイワイ楽しく、先方の社長や経営陣の皆さまと一緒に議論をさせていただく機会が多くあります。
至極和やかで、真剣で、このテーブルについている人は「真剣に良いものをつくりたい」という風に心から考えている人。まず、その事実に心が熱くなりました。ここでは真実を語っても良いんだ。「良いものをつくろう」そう真摯に取り組める環境って意外とないと思いますし、そこに打ち込める事は素晴らしい事だと思うのです。

柴田さんは、シバジムは、クライアントさんの上でも下でもなく、パートナー、チームになります。また、私たちは広告会社のように、メディアやイベントなどの商品を売っているのではなく、思考やコンセプト、企画という無形のものを売っているので、例えばクライアントさんが、「カフェをつくりたい」というご相談にこられて、「カフェは他みんなもやっているから難しいかもしれません、社長。例えばこういうのはどうですか」といった、根本をひっくり返すようなことが言えるのです。なぜならカフェをつくることがゴールではなくて、その企業のビジネスを成功や経営者の想いを形にすることがゴールなので、そのプロセス自体に疑問があったら素直にそう伝えることができるのです。そう伝えるのが仕事なのです。つまり私たちはの言葉は自由であり、それは広告会社では得られなかった体験でした。
(そして当然自由だからこその恐怖や責任を負う責務があります)

そんな風に、シバジムは、クライアントさんのパートナーとなり、チームとなって、クライアントさんの抱える課題や経営者の想いや志を描く仕事をします。
まだ芽のような思いを聞き取って市場を調査し、消費者としての気持ちやマーケット感覚をつかみ、そこに私たちの新しいアイディアを加えて、その上でクライアントさんのキャラクターに似合っているかと斜め45度くらいのチャレンジになっているかを確認して、がらがらぽんと一つの形にしてゆく。

新しいビジネスや業態、大型施設や都市などさまざまなブランドに対してのコンセプトや戦略の概要などを細かに描くことからはじまり、青図ができてゴールが握れたら、着地に至るまで全てのアウトプットのチェック、ツールやデザインなどひとつひとつ形になるところまでこだわってプロデュースやディレクションや制作を行って、必要なメンバーをチームに引き入れて、あの手この手を使ってプロジェクトを着地まで導きます。最後はお店に置くPOP一つまで自分たちで作ります。 

ブランドは細部に宿る。一気通貫した長く続く魅力あるブランドやビジネスを形にするために、私たちは同じチームで2年も3年もプロジェクトが形になるまでクライアントさんに伴奏します。

これが、シバジムの仕事の一端です。
次回はもっと、社長が主役っぽくかけるように頑張ります。

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