見出し画像

風呂好き・歴史好きなら必見!「テルマエ・ロマエ」でバスタイムを楽しもう

というわけで、私を構成する5つ(どころじゃない)マンガ2冊目!
(一冊目はこちら⇒『聖☆おにいさん』)

『テルマ・エロマエ』!

毎日の疲れを癒すには、ゆっくりと湯舟に浸かるのが一番です。

たまにはのんびり温泉旅行も……

画像1

行けない。

今は行けない!

せめて家のお風呂に温泉の素を入れて楽しむぐらいしか!

そんなアナタに、温泉の素にプラスして、お風呂に入る前に「テルマエ・ロマエ」読書timeはいかがでしょう!

テルマエ・ロマエのここが好き!

テルマエ・ロマエはラテン語で「ローマの浴場」という意味です。

現在、西洋では日本のように入浴する文化はありません。しかし古代ローマでは日本のように公衆浴場が発達していました。

古代ローマと現代日本の風呂文化をミックスさせたのがこのマンガです。

前回も言った通り、私、歴オタなんで、こういうの大好き!

主人公ルシウスが巻き起こすハプニング

物語の主人公は、古代ローマの浴場専門の建築家、ルシウスです。

ローマへの愛国心と仕事への情熱を持つまじめな人物ですが、集中しすぎると周りが見えなくなり、妻との関係も良いとはいえず、作中で離婚されてしまうほどです。

そんなルシウスは仕事の難問に降りかかった時に、風呂で溺れて現代日本にタイムスリップしてきます。

そして日本の銭湯や温泉の様子に感銘を受けて、古代ローマにもどって日本の風呂文化を参考にしたアイデアで仕事を成功させていく……というのが大まかなストーリーです。

画像2

ルシウスの言葉や価値観は古代ローマのままなので、現代日本人のことを「平たい顔族」と呼び、日本はローマ帝国が支配している末端の国だと思っています。

一方、現代日本人たちはルシウスをただの外国人観光客と思って接しているので、そのギャップやすれ違いにクスリと笑えます。

ほとばしる風呂文化への愛

日本人にとって風呂は「あってあたりまえ」の日常です。

しかし古代ローマ人のルシウスの目を通してみると「あたりまえ」だと思っていた風呂に、細やかな技術や工夫が施されていることが分かります。

風呂の温度を保つ技術、子供たちが飽きずに楽しめる工夫、健康に効果的な入り方など、日本の風呂の良さに改めて気づきます。

オタク女子あるある

物語は基本1話完結で、ルシウスがタイムスリップする日本は毎回違う場所です。しかしストーリーの最終章では、ルシウスが古代ローマに帰れなくなるというトラブルが発生します。

そこに登場するのが天才美女「小達(おだて)さつき」です。

実はさつきは重度の古代ローマおたく

画像3

少女時代から友達がアイドルの話題で盛り上がっている所に「私はカエサルのファン!」と入っていくほどです。

大人になって古代ローマ遺跡の発掘調査に参加した時に「古代ローマ人に会える気がして」と穴を掘りまくります。

多くの人は「美人で多才でも、おかしなところがある」と笑い話になるでしょうが、オタク女子としては「わかりみが過ぎる……」と思わず共感してしまいました。

歴史ものとしても読める古代ローマパート

一方、ルシウスが日常を送る古代ローマのストーリーも、きちんと「歴史もの」となっています。

作者のヤマザキマリさんは、古代ローマオタクなイタリア人の旦那さんとイタリアに住んでいるだけあって、かなり緻密な時代考証がされています。

ルシウスが作った、日本の風呂文化を参考にした浴場が「風呂好き」で有名な皇帝ハドリアヌスに見初められ、ルシウスは皇族お抱えの浴場技師として出世していき、政治劇にも巻き込まれていきます。

画像4

皇帝の世継ぎ問題や、病気、戦争などに「風呂」を通して関わっていき、それを日本の風呂文化を参考にして歴史通りの解決に導いてゆく様子は、見事と言う他ありません。

特にハドリアヌス皇帝のラストシーンは、古代ローマ史を知る人はもちろん、知らなくても風呂を愛する人なら胸に深く刻まれる屈指の名シーンでしょう。

ますます風呂を好きになる

「テルマエ・ロマエ」を読むと、日本の風呂文化の良さを再認識すると同時に、離れたイタリアにはるか昔にあったローマ帝国の人々が、わたしたちと同じように風呂を愛していた事がわかります。

それを知った瞬間、現代日本人として古代ローマ人に親近感を持つという不思議な感覚を覚えます。

それはまるで風呂を通して現代日本にタイムスリップするルシウスのように、今度は私たちが風呂を通して古代ローマにタイムスリップしているようです。

画像5

あなたも読めばきっと風呂をますます好きになり、今日の夜のバスタイムが楽しみになるでしょう。


よろしければサポートをお願いいたします。頂いたサポートは執筆活動の資金にいたします。