ChatWorkのマーケティング施策を徹底分析したらすごかった【2019年1月】
明けましておめでとうございます
たまたまツイッターをさかのぼっていたところ、こんな素敵なNoteを見つけたことで触発されて執筆することになりました。
Chatworkは日本で最も成長しているSaaSプロダクトといっても過言ではありません。そのため、Chatworkのマーケティング戦略は大いに参考になります。ソースはすべて公開情報になります。
Chatworkの成長過程
2016年には10万社を突破
2018年11月時点では20万社の導入社数を達成したそうです。
2011年のサービス開始から5年で10万社へ到達後、たった2年で10万社も導入企業が増えていますね。指数関数的に社数を増やしていることがわかります。
導入社数2万社まで(10万ユーザー)までのマーケティング戦略
2012年に導入社数2万社を達成するまでのマーケティング施策については
下記記事でよくまとめられています。
この記事からわかることはおそるべき早さでPDCAを回し、多くの施策を回していたということ。記載あるだけでもこれだけの施策を回しています。
【サービス開始初期(2011年春)】
・各種オンラインプレスリリースの発行
・口コミ施策
・ブログメディアに対するチャットワークの紹介依頼
サービス開始初期においてはプロダクト改善したことによる口コミでのユーザー増加が一番多かったよう。
【2011年10月~12月】
・ターゲティングを細かく絞り、「nanapi」「Facebook」「SOHO」で広告掲載
・KDDIとの業務提携(代理店契約)
【2012年4月〜7月】
・イベントスピーカー
・セミナー開催
・様々なイベントに協賛企業として出資
・ネット上でのプロモーションは、Facebook広告とPPC広告のみに。
これでもまだ導入企業数は2万社であり、成長速度はスローペースのように見えます。
しかし、この時期のマーケティング施策がその後の爆発的な成長の基礎をつくったことは間違いないでしょう。
Chatworkのマーケティング施策
それでは現在のChatworkのマーケティング施策についてみていきます。
1,公式HP
2,SEO(自社ブログ)
3,ホワイトペーパー
4,自社セミナー(月に1、2回働き方改革テーマで開催)
5,展示会(働き方改革Expoなど大規模展示会へ出展)
6,オフライン交流会(IT飲み会、ユーザー交流会など)
7,オンライン広告(リスティング&コンテンツ広告)
8,資料比較サイト(Boxil, ITトレンド, Wantedly Tools)
9,代理店からの紹介(2018年以降はこちらに注力と社長明言あり)
気になった施策についていくつか
オフライン交流会
最も驚いたことが地方でのイベントを積極的に力を入れていることです。
下記は2018年のChatwork Cafeというチャットワークユーザー向けのイベントですが、東京だけではなく、瀬戸内や札幌で行っています。
下記記事でイベントレポートがまとめられていますが、チャットワークの社員の方はもちろん、チャットワークを導入しているマネフォワード社員や弁護士も参加していたそうです
チャットワークのオフィスは東京、神戸、大阪、海外にありますが、地方のイベントにわざわざ社員が参加するあたり、地方ユーザーを強く重視していることがわかります。
こういった層は絶対にSlackを導入しなさそうですが、地方でも社内コミュニケーションの課題は間違いなくあるはずですので効果的かもしれないですね。
また、各地でIT飲み会をChatworkが共催して開催しています。
こうしたIT飲み会でChatworkを知ってもらったり、ファンになったりもらいコミュニティを形成する戦略だろうと思います。
実際にチャットワークエバンジェリストという存在がいて、おそらくこうしたイベントからエバンジェリストになってもらう人を見つけ出しているのかなと思います。
オンライン広告
コンテンツ広告ではstandard adが91%でネイティブアドが9%だそうです。
コンテンツ広告はこんな感じです。やっぱりメールが不便という悩みへの訴求が主なんですね
ネイティブアドの例
今回リサーチに使用したツールはこちらです。
はじめて使いましたがなかなか良いです。
Facebook、Twitter、Eightなどでも出稿しているかもしれません。今回は時間切れでリサーチできず。
サービスHP
気づいたポイント
①資料請求より会員登録訴求が全面に
②Gifで画面を見せるところがいい
③CTAが弱い
①資料請求より会員登録訴求が全面に
サービスサイトのトップ画面で下記のようにメールアドレスを入れるだけで会員登録ができるようになっています。SmartHRなどと同様ですね。
メールアドレスを入力し、メール内のリンクを踏むと、下記のように登録フォームを入力するよう促されます。
②Gifで画面を見せるところがいい
また、下記のようにサービスの画面をGIfで掲載しているのはいいですね。
③CTAが弱い
ただ、CTAのバナーが弱い印象です。下記が実際のCTAですが、画像や文言、ボタンの色はもっと替えたほうがよいのではと。
SEOはほとんどやっていない様子。オウンドメディアなし
「働き方改革 SNS」や「働き方改革 チャットツール」「チャットツール 比較」のようなクエリでチャットワークのオウンドメディアやブログは一つも表示されていませんでした。
もしかしたら自社ドメインでやっていないのかもしれませんが。
例えば下記は「働き方改革 SNS」クエリの検索です。
第一位に表示されている記事はLINE WORKSのプロモーション記事であり、2位以降はコンサルティング会社のチャットツールをまとめたコラム記事が並びます。
全体的に質が低い記事が多いため、質の高い記事をかけば簡単に上位表示ができそうです。
特に競合のLINE WORKSはインフルエンサーとのプロモーション記事制作に力を入れています。
最近いいなと思ったプロモーション記事がこちらです。
コンテンツとしても面白く、共感しやすい内容ですし、自然にLINE WORKSが紹介されています。今後ChatWorkもこういった施策を打つのでしょうか
同様に「働き方改革 チャット」のクエリでもChatworkのブログ記事などは見当たりません。
結論は3つ
今回、チャットワークのマーケティング施策について小一時間くらいリサーチしました。結論としては以下の3点です
①オフラインイベントに特に注力
②地方の非IT企業を獲得しようとしている。ここはSlackなどを絶対に導入しない層なので効果的かも!
③オンライン広告やSEOにはあまり注力していない(意図的かそうでないのか不明)
これは個人的な意見ですが、Slackは英語だから使えない、伝統的な非IT系で、ただメールのやり取りは嫌だけど、slackを導入する程ではないという日本企業がChatworkを多く利用している印象です。
次回は各施策をもっと掘り下げて分析をしていきたいと思います。
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