The 1975『Notes on a Conditional Form』について



上半期ベストについて、つらつらと書いていこうと思うんだけど、まずはこのアルバムからだなあ。

The 1975のニューアルバム『Notes on a Conditional Form』について。Spotifyでやってるポッドキャスト「POPLIFE : the Podcast」にゲスト出演させてもらったときにも語ったんですが、ぐさぐさ刺さる内容でした。

アルバムにはサウンドとしての統一感はほとんどない。パンク、UKガラージ、ネオ・カントリーなどなど、バラバラな一枚。なんだけれど、「The End (Music for cars)」とか「Streaming」みたいなインストゥルメンタルが挟まることで、架空の映画のサウンドトラックのような物語の軸を感じさせるアルバム。

で、僕がぐっときたのはやっぱりマシュー・ヒーリーという人のフラジャイルな内心の告白。まず、すごくよかったのが、”Jesus Christ 2005 God Bless America“。

ざっくり言うと、同性愛とキリスト教の信仰のあいだで引き裂かれるような葛藤を歌っている。これに参加しているのがフィービー・ブリッジャーズ。セカンド・アルバム『Punisher』がリリースされたばかりで、これがまたすごくよかった。これについてはまた書くかも。

で、The 1975に話を戻すと、そういう感性は「Me & You Together Song」のような曲にも活きている。

他にもドラッグのことや、不安症のことや、いろいろなフラジャイルの内心の告白が続くディープな内奥の旅のようなアルバム。

それが、バンドを組んだ純粋な喜びを歌う”Guys”で終わるというのが、またいいのよな。


The moment that you took my hand
was the best thing that ever happened
The moment that we started a band
was the best thing that ever happened
(君が手をとってくれたときが、今までで最高の一瞬だった。
僕らがバンドを始めたときが、今までで最高の出来事だった)



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