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「7」の年に次のディケイドを決定づけるファクターが用意される説

【音楽未来会議~"これまで"と"これから"の10年~】というトークイベントシリーズがスタートします。

「Studio ENTRE」の山口哲一さんと株式会社LABの脇田敬さんと3人で、カルチャー×ビジネスの視点から音楽のこれからを語るというイベント。

第1回は「ヒットとブレイクの10年」。2月11日(日)15時〜17時予定です。会場・オンラインともにチケット発売中で、詳細はこちら。

■2017年に登場したもの

そこで喋ろうと思ってたんですが、僕は前々から音楽カルチャーにおいて「『7』の年に次のディケイドを決定づけるファクターが用意される」という説を立ててます。

あとから振り返ってみたら、その時点でカルチャーの潮流が明らかに切り替わったタイミングがあったとわかる。たとえば新たなテクノロジーの登場や、プラットフォームのサービス開始があったという。

たとえば2007年は初音ミクが発売された年。00年代中盤はYouTube、Twitter、そしてiPhoneが登場したわけで、今は当たり前に誰もが使っているスマートフォンやSNSや動画共有サイトが次々と登場した時期だった。あの時期はボーカロイドがその後の音楽シーンに影響を与えるようになると思っている人は音楽業界にはほぼ皆無だったけれど、結果として2010年代はネット発の音楽カルチャーが躍進するディケイドになった。

たとえば1997年はフジ・ロック・フェスティバルが初めて開催された年。あの時点の日本には野外フェスのカルチャーは全く根付いてなかったけれど、フェスの定着は確実に音楽シーンを変えた。

で、そういう仮説を立てたのが『初音ミクはなぜ世界を変えたのか』を上梓した2014年頃だったので、近しい人には「2017年にはきっと何か出てきますよ」みたいな予言めいたことを言っていた。

でも、その頃は全然気づかなかった。

2017年9月13日、ByteDanceがTikTokのサービスを開始。

今振り返ると、結果としてそこが分水嶺だったんだなと思う。少なくともヒットチャートから物事を考えるならば、2020年代の音楽カルチャーを左右しているのは間違いなくTikTokのプラットフォームということになっている。沢山のヒットがTikTok発で生まれたり、80年代や90年代のリバイバルムーブメントが生まれたりしている。

つい先日にはユニバーサル・ミュージックがTikTokとの包括契約を終了し楽曲を使用できなくなったばかりだが、それも含めて状況は大きく動いている。

■YOASOBI、藤井風、Vaundyが登場した2019年11月

ちなみにもうひとつ、2020年代の今の音楽シーンを牽引しているアーティストたちが揃って2019年11月にデビューしているという偶然の一致も興味深い。

2019年11月16日 YOASOBIが「夜に駆ける」のミュージックビデオを公開
2019年11月18日 藤井 風がデビューシングル「何なんw」をリリース
2019年11月29日 Vaundyが1stシングル「東京フラッシュ」をリリース

どのアーティストもこの時点ではほぼ無名。さらに言えば2019年のエンタメを巡るムードは翌年に控えた東京オリンピックのことがトピックの中心になってました。

そんな中で僕はずっと「前年まで全く無名だったミュージシャンが、新しい価値観を示し、一挙にシーンの流れを変える」ことを思い描いてました。たとえばJ-CASTニュースの2020年初頭の記事ではこんなことを喋ってます。

https://www.j-cast.com/justmysound/2020/01/10376908.html?p=all

コロナ禍と東京オリンピックのことはさておき、結果として予言は当たったことになったのではないかと思います。

「音楽未来会議」では、そんなことから、この先の見通しのことについて喋ろうと思ってます。興味あるかたはぜひ。


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