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2021年2月に聴いてよかったアルバム&EP

今月もあっという間だった! 

きちんと記録しておかないと、どんどん忘れていってしまう。
というわけで2月に聴いてよかったアルバムやEPを。


■millenium parade 『THE MILLENNIUM PARADE』

これはよかったなあ。常田大希率いる音楽集団、millennium paqradeの初アルバム。『ゲーテ』と『EYESCREAM』にレビューを書いたんですが、どことなく生と死の境界線のイメージが漂っているところが、とても好きです。

■アイナ・ジ・エンド『THE END』

BiSHのアイナ・ジ・エンドのソロデビュー作。CINRAでインタビューしました。

取材でも言ったんですが、これは「亀田誠治ワークス」としての出来が素晴らしいです。「金木犀」のベースソロとか。あとは「ハロウ」のダークポップな打ち込みとか。

■須田景凪『Billow』

須田景凪のメジャー1stアルバム。特設サイトでのインタビュー担当しました。

ボカロP「バルーン」を経てシンガーソングライターとしての活動を始めた頃からずっと追ってきているアーティストなのだけれど、新作では「Vanilla」が一番好きです。こういうダークポップなテイストの打ち込み、LauvとかSub UrbanとかBlackbearとかConan Grayと通じ合うものを勝手に感じてる。

■THE CHARM PARK『Bedroom Revalations』

THE CHARM PARKのセカンド。これもよかったなあ。アコギとストリングスの優しい音色によるポップソング。声も柔らかいので「癒やし系」みたいな感じでの聴かれ方もするだろうなと思うけれど、アルバムのタイトルトラックとも言える「Revelations(=啓示)」の英語詞をちゃんと噛み締めて聴けば、そこにちゃんと鋭い意味が込められてることが伝わってくる。「預言者」や「聖者の血」といった宗教的なモチーフと共に、「冬眠」と「革命」という言葉を使って、ゆっくりと、しかし確実に変わっていく世界を描写している。


■土岐麻子『HOME TOWN ~Cover Songs』

土岐麻子のカバーアルバム。ASIAN KUNG-FU GENERATION「ソラニン」の解釈が抜群。くるり「Jubilee」、スピッツ「楓」、indigo la end「夏夜のマジック」と、選曲もいいしアレンジも巧み。カバーアルバムというのは音楽家としての”批評”だよなあと思い知らされる。

■slowthai 『TYRON』

UK出身のラッパー、スロウタイによるセカンドアルバムは、本名のタイロン・フランプトンをタイトルに冠した1枚。イギリスの国民健康保険サービス「National Health Service」に捧げられた“nhs”、ジェイムス・ブレイクとマウント・キンビーをフィーチャーした“feel away”から、ダークで抑鬱的なトラックの上で呟きのようなラップを繰り広げる“adhd”というラスト3曲の後半3曲の抑鬱的な流れがとても好きです。

■Claud『Super Monster』

ブルックリンのシンガーソングライター、Claudのデビュー作。フィービー・ブリジャーズのレーベル「Saddest Factory Records」からリリースということで、フィービー・ブリジャーズにも通じるインディポップのテイストに、懐っこいメロディと歌声がいい感じ。

■Trippie Redd『Neon Shark vs. Pegasus』

Trippie Reddの新作は、Blink 182のTravis Barkerがプロデュースしたロックアルバム。昨年リリースしたアルバム『Pegasus』のデラックス版という位置づけらしい。

Machine Gun KellyやYUNGBLUDのアルバムを聴いても感じていたのだけれど、「エモ・ラップのポップ・パンク回帰」というムーブメントが起こってるなあと思う。このへんすごく興味深い。

■non albini『Nostalgia King』

これちょっと前の作品なんだけれど、このEPに入ってる「Kyoto (feat. Lil Soft Tennis)」という曲がすごくよかった。non albiniは関西を拠点として活動するネオパンクバンド R4のボーカルによる新プロジェクト。参加しているLIL SOFT TENNISはやはり大阪のソロミュージシャン。

上記のエモ・ラップの動きと、Dominic Fikeあたりと、いろんなところでリンクしている感じがして見逃せない。

■blackwinterwells, 8485 『tracing paths』

これすごい好き。最近流行りのhyperpopに括られるのかなあとも思うけど、このドリーミーでサッドなエレクトロは、それこそポーター・ロビンソンが出てきたときみたいな感じもする。blackwinterwellsはオンタリオを拠点に活動するアーティスト、プロデューサー。8485はトロントを拠点に活動するシンガー。

blackwinterwellsが立ち上げたレーベル「Helix Tears」に所属するのが8485ということで、このへん、A.G.COOKのPC Musicに近い感じもする。

■glaive「cypress grove」

これもhyperpop枠。去年のリリースなんだけれど、今年の頭にライターの小田部仁が推してたのを聴いてチェックしたらハマってしまった。

■Royal & the Serpent「get a grip」

ロサンゼルスのシンガーソングライター、Royal & The SerpentのデビューEP。まだ素性などよくわからず。「Overwhelmed」がとてもよい。

■The Weather Station『Ignorance』

Tamara Lindeman率いるフォーク・ロック・バンドThe Weather Stationの通算4作目のアルバム。1曲目の「Robber」がとても好き。

■She Her Her Hers 『silver rain』

She Her Her Hersの新作EP。もともとシューゲイザーとかドリーム・ポップ的な方向性を持っていたバンドだけど、どんどん今の時代と共鳴して覚醒してきてる感じがします。ミックスエンジニアにThe fin.のYuto Uchinoを起用したということなので、それも大きいのかも。浮遊感と幻想的な光が見えるような音になっている。

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