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THA BLUE HERB「バラッドを俺等に」と、かつての日常が失われてしまった2020年のドキュメント

THA BLUE HERB、ILL-BOSSTINOのインタビューをしました。

そこにも書いたけれど、彼らの新作『2020』は、日常が大きく変化した2020年に起こったことを切り取ったリアルタイムのドキュメントのような内容になっている。

5曲入りで、そのなかでも「バラッドを俺等に」は、ライブ後の情景や各地の街での出会いと別れを描いた曲。これを聴くと「ああ、当たり前にライブに行ってた日々はよかったなあ」と思いを馳せてしまう。

BOSS:「バラッドを俺等に」は、ライブをやっているときの日常の感じを書きました。ただ、いつもライブの曲を書くときは「これからみんなで盛り上がろうぜ」という曲が多かったんですよ。会場で鳴らすことを想定して。でも、この曲はそういう曲じゃなくて、街から街へ行く途中の風景、改札から改札の間なんかを歌っています。普段、札幌から旅立って、金曜日と土曜日にライブをやって日曜日に家に帰ってくるんです。金曜日の夜にライブをやって、土曜日の昼、みんなに駅まで送ってもらって、そこから次の街にいって、電車の中でいろんなことを考えながら、次のベニューの街に着く。そこにも俺なりの思いは色々あって、今までは掘り下げていなかったので、そこについて歌ってみたかったんです。

――この曲が『2020』を締めくくることで「またライブに行きたい」という感覚と共に聴き終える感じがあります。

BOSS:僕もその感覚で作ってました。かつての日常に愛着があるし、そこに戻りたいという思いもある。この曲を最後に置いたことで、俺たちのライブに来てくれていたような人も、そういう感覚で聴き終えてくれると嬉しいです。

東京では再び新規感染者が100人を超えたり、アメリカや南米などでも感染が再拡大していたり、第2波以前にまだまだ何も抑えきれない日々。配信ライブが当たり前になり、インタビューもリモートになり、自分なりにも順応はしてるつもりだけど。でも”再会”したいよなあと思う。

THA BLUE HERBが去年にリリースした2枚組のアルバムに「今日無事」という曲があって。それが今になってみると、すごく重い響きを持ってるなと思ったりもする。

この作品についてのインタビューもしました。

2020年は後々になって振り返られるだろう年で、だからこそ、僕自身も、考えたことや思ったことは沢山書き残していこうと思ったりしてます。

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