渋沢栄一による資本主義の原点に回帰

ダボス会議に集まる世界の経済界トップら、つまり、資本主義社会での「勝者」は危惧しているようです。これからの世の中は、今までの資本主義の有り方を継続させてくれるのか。。。

その新たな資本主義の再定義で日本人の不在に、こちらの記事は問題視しています。確かに、その通りだと思います。なぜなら、日本の資本主義の原点に、今のような議論が既に存在していたからです。

「日本の資本主義の父」と云われる渋沢栄一は、今から100年以上前に格差社会の弊害に警告を鳴らしていました。「その経営者一人がいかに大富豪になっても、そのために社会の多数が貧困に陥るようなことでは、その幸福は継続されない。」

また、渋沢栄一はそもそも「資本主義」という言葉を使っていませんでした。栄一が提唱したのは「合本主義」。価値創造に必要な様々な「本」を「合わせる」というというイメージが浮かび上がってきます。

渋沢栄一は「株主」を否定していませんでした。なぜなら、自分自身も株主だったから。

けれども、国力を高める民間力の要である企業の価値創造は、株主だけでは実現できません。経営者も必要です。

ただ、経営者だけでは価値創造できなく、社員も必要です。

また、会社(株主、経営者、社員)だけでは価値創造ができなく、仕入先もも必要です。

そして、もちろん、顧客が必要。

それから、社会も必要です。

つまり、株主、経営者、社員、仕入先、顧客、社会という様々な「本」を「合わせて」価値創造を目指す合本主義とは、現在で言うステークホルダー資本主義と全く同類のものなのです。つまり、ダボス会議ではなく、米国のビジネス・ラウンドテーブルではなく、日本の資本主義の原点から既に存在していた考え方です。

今の時代に必要なのは資本主義の再定義ではなく、原点回帰です。

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