ステークホルダー資本主義の時代

やっと、アメリカの経済界が追い付いてきてくれと自負してます。笑

「日本の資本主義の父」と云われる渋沢栄一が実際に提唱したのは「資本主義」ではなく、「合本主義」でした。

自分自身が80年代のMBA時代に学んだ「資本主義」=shareholder capitalismでした。つまり、企業価値=株主価値=発行株数x株価(時価総額)です。

一方、栄一の「合本主義」の現代意義を英訳すれば、それはstakeholder capitalismだと考えます。

栄一は、もちろん、株主の否定をしていませんでした。自分自身は株主でしたから。また、「重役が多数株主の信任を失ったとき、その職を去るべき」と言っています。

ここのポイントは「多数」です。株数で会社を支配している少数株主のことではなく。そういう意味で、ガバナンス(社外取締役の役目)の本質は、minority shareholderの代理ということかもしれません。

栄一は、日本の国力を高めるために民間力を高めることが不可欠と考えていました。民間力=企業の持続的な価値創造と置き換えれば、そのバリュー・クリエーションに必要なのは、経営者、従業員、顧客、取引先、社会、そして、株主というステークホルダーたちがそれぞれの役目を果たすことです。ステークホルダー共創によって企業の持続的な価値創造が実現するのです。

社会と経済は合致できる、合致すべき。それが、渋沢栄一が唱えていた「論語と算盤」でした。たぶん、このWSJ記事が示すようにミルトン・フリードマン派に受け入れられるような考えではないでしょう。

ただ、これからの時代が求めている経済思想だと思います。

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