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槌目のリング

槌目とは、表面にハンマーなどで叩いて傷をつけることで生まれる凹凸の模様のこと。

槌目にはその傷の大きさなどによっても、また、職人によってもバリエーションはさまざまで、その違いを比べてみるのも面白く、奥が深そうです。槌目をゆったり目につけたものもあれば、細かい傷をたくさんつけたもので「ダイヤモンドダスト」と名づけられているものもあります。傷の大きさが細かいほどキラキラ光ります。

去年の夏、私はかつてなくアクセサリーの魅力にとりつかれ、Creemaのサイトでいろいろなアクセサリーを見ていました。その中で、シルバーの一ミリ幅の槌目のリング(V&SSS「ぽこぽこリング」)を購入してみました。小さめの槌目が施されたもので、光の反射の仕方に艶っぽさを感じます。そして、たった一ミリなのに、あるのとないのとでは全く違います。こういうところにアクセサリーの凄さや面白さを感じます。

槌目をつけることで少しカジュアルなものになるらしいのですが、槌目の表情の美しさに私は心惹かれます。平らな表面にあえて傷をつけることで、そこに趣が生まれるように思います。最初の傷は傷だとしてもいつの間にか模様になっていく瞬間があるのだろうなと想像しています。傷さえも美しく見せてしまう槌目に興味は尽きません。私の勝手なイメージですが、槌目には、雨の中で咲いている紫陽花のような、憂いのある美しさを感じます。傷がつけられることでバランスがくずれるわけですが、その中でもバランスを保とうとするところが美しいのかなとふと思ったり…。槌目の美しさはどこからくるのかなと指に嵌めたリングの槌目を見つめては考えてしまいます。

V&SSS「ぽこぽこリング」

去年の夏に、私のアクセサリー熱がふつふつと沸いたきっかけになったアクセサリーについては次のお話で。


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