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AXIS Forum「原点回帰」vol.1 備忘録


WebマガジンAXIS
新型コロナウイルスによって世界は一変しました。これまで当たり前だったことが突然できなくなり、その影響は、社会のシステムや経済活動、個人の価値観にまで及んでいます。その変化を受け止めつつ新しい未来を築いていくためには、今まで溜めこんでいた余計なものを取り払い、いったん原点に立ち返ることが必要なのではないでしょうか。

AXISでは「原点回帰」をテーマに、さまざまなゲストをお招きして、トークイベントを実施していきます。その第一回のゲストは、メディアアーティストの落合陽一さんです。

現在、落合さんは、2017年から2020年までの活動を俯瞰した個展「未知への追憶 ーイメージと物質 || 計算機と自然 || 質量への憧憬ー」を渋谷MODIにて開催中です(8月31日まで)。

ちょうど今年は、自身の“コア”を見返して新しいことを始める年にしたいと考えていたそうです。そんな落合さんにCOVID-19をきっかけに変容する社会や自然観、自身のこれからの活動、思い描く未来などについてお聞きします。
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未知への追憶 会場から
1カ月前から準備をして感じたこと
1月末からオリンピックの開催危機を感じる。体験価値を提供しているから。日本未来館の常設展示から2か月。安宅和人氏と対談で作られたwithコロナ。割とチケットタイプのメディアアートが割を食う。今までフィジカルな面に力を入れてきた(良くも悪くも)結果。結果、販売(メンテナンス込み)壊れやすいメディアアート(Levitrope)。壊れないメディアアートを作成する。保存できるもの(プラチナプリント)を作る。保存場所を確保する。半田付け、レンズ調整、現場にいる。コヤマさん、サイトウさん、俺で現場を回す「未知への追憶(デジャヴュを探す)」。

デジタルとアナログ
大学教員としては、離散値と連続値。いうて、デジタルだから、アナログだから、はない。
講演に関してはマル。論文・学会の半強制的な学習が難しい。お気軽な何とかとしての一枚のレイヤー。触ってみたいから始まる質量への憧憬。物質性から身体性・動物性へ。物化。

民藝
始まりとしてのデジタル発酵。民藝を定義づける美がデジタルに存在し得る。土着化した(する)デジタル。咲くLED。くそ―っ外に出たい、という動物性を何に転換(昇華)するか。何かを作る、動画を作る無名の人。

質量への憧憬から未知への追憶まで
言葉と物理現象の反復をしながらメディアアートとは何かを考え続ける。(原点?)
対数螺旋と寺の音とプラチナプリントと展示物、音を何周もする。
物質が何が出来ているのか、何を愛でることが出来るのか、自分の視聴覚の何を刺激してくれるのか、ばらばらにして世界と一体になることが出来るのか、ばらばらにしてまた組み立てることで風景が違って見えるのか。風景の形は材料と型で決まるところがある。

・SIGGRAPH2016 image & mattar

・廃校展示  コライドディスプレイ シャボン膜を超音波で高速振動させる(DRF関数)。
空気が非線形形状で鳴る。

物化、空、蝶と荘子の変換とアナログとデジタル変換。変換工程が原点で意味論の範疇から飛び出るものを偏愛している。

SDGsの主語である人間への違和感は、持続可能性の違い(西洋的な人間の持続可能性と東洋的な風景の持続可能性)。多層と多様で少しずつ変わる自然観、予測不可能な自然の予測を諦めない人間が、一枚デジタルを挟んだりする。盆栽モチーフのメディアアート(床の間におけるもの)から、でかいメディアアートへ。物質的スケールが意味をなさなくなった時代に作ることに意味があるかもしれない。完全に調和した世界のイメージがあるが、皆とズレている。スケジュールはテトリスの村田沙耶香さん著、コンビニ人間チャンス。