見出し画像

東京03

キングオブコント2009優勝者
関東トリオコント師を代表するグループ東京03

その役割分担を定点観測的に見てゆくと、オーソドックスなフォーメーションに対して個々それぞれの気質が、3人組として少し変則的に感じられる瞬間があります。

東京03結成前の、豊本さんと飯塚さんで組んでいたコンビ アルファルファ時代のネタを見てゆくと、割と今の芸風とは若干違って、特に豊本さんのボケの角度がややファンタジー風味で現実に居そう感が目減りしています。

キャラクターとしては今と大きく変わらず飄々とした態度である事は変わらないのですが、コンビとしては今より明確に飯塚さんをいじり気味で、

飯塚さんの方も今とそこまで変わらないのですが、もう少しツッコミのテンションが高い感じがします。ツッコんでない時の演技にリアリティが今より無いと言った温度でしょうか。


そして、角田さんがかつて組んでたトリオ、プラスドライバーですが、こちらはかなり分かりやすく今の角田さんよりコントチック強めの演技を行ってて、貼り芸でベタなボケを大声で重ねて観客を引っ張ってゆくスタイルです。
東京03のコント内で角田さんがキレるくだりのパートを、プラスドライバーでは常に憑依させてキャラとして常態化させてるという塩梅に感じます。

ただ、少し思うのは
こういう分かりやすいベタなコントの強烈キャラとして置かれてる角田さんを眺めてゆくと、オーバーな声や動きを見せながらもその演技はどこか中心性を覚えないところが個人的にあって

プラスドライバーの時の相方である大田さんの小ボケでありながら重心感のある雰囲気に、角田さんが外側から当てるようにして絡み的に空気を作って、それをもう1人の相方の和知さんの中心感のあるツッコミで捌いてもらう、ネプチューンのような体制を取っています。
角田さんは泰造さんのキャラでホリケンさんのようなポジションをやっています。


この角田さんの「貼り芸でありながら外側のポジションにいる」という気質がけっこう重要な気がしてて、

そのニュアンスで東京03に加わる事で、すでに豊本さんと飯塚さんで出来上がっていた いじりボケを含んだ掛け合いに角田さんの外側からのオーバー演技でのアシストが入るため、飯塚さんのリアクションパターンに幅が生まれたのだと認識しています。

アルファルファ時代は割と一方的にいじられを許容したツッコミだった飯塚さんが、外側から角田さんの張りの強いボケを当てられるため、そのツッコミのテンションを維持したまま いじり側の立ち位置と連結させる事に成功してると思います。
プラスドライバー的なベタなボケに対して俯瞰的にその構造へ指摘するかの如く、角田さんの一挙手一投足をボケとして扱ってツッコミを入れる事そのものの"掛け合いコント"化をさせてる感じ。

それに伴って豊本さんのボケの在り方も温度は保ったままファンタジー性を脱臭できた(角田さんがある程度、視線の集中を請け負うから)のではないでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?