スリムクラブ

スリムクラブは真栄田さんが「回し」て内間さんが「アシスト」しているのが分かりやすくフォーメーションに表れていると思います。

真栄田さんはあの枯れたような独特の声質と沖縄訛りのイントネーションでゆったりとしたリズムを取りながら全体のペースを巻き込むように喋ります。

しかしながら完璧な自分のペースで進んでいるというよりは場に合わせて一応調整しようとはしているのが聞き受けられます。声や訛りが特徴的なので聞き流されているところもありますが自分のターンじゃない時はガヤやツッコミを入れていて流れの乗り方自体は強引ではありません。

つまり真栄田さんは実はメロディラインの引き方を優先しているタイプです。ボケの角度がもちろん面白いのですがそこに至るまでの雰囲気を作り上げる手腕が抜きん出ています。声質や訛りによって自動的に聞き手の引き込みが発生していて勝手にハードルが上がってるのでそれを利用して間合いを開ける事で大喜利的なコメントで笑いを成立させやすくしているのではないでしょうか。

そしてその穴埋めを内間さんがしているという形です。内間さん自身はキンコメの今野さんやザ・マミィ酒井さんのような求められている事を察して即興性でもって繋ぐ事に長けています。真栄田さんの作り上げるメロディラインに入っていった上でそのニュアンスを維持したままおかしみを助長させたり持続させたりする事でなるべく真栄田さんが一人喋りのみにならないようにしています。

なので内間さんはどちらかと言えば真栄田さんから醸し出されている異様性みたいなものを増幅させる「いじり」的な役割という感じです。

漫才ではそれが分かりやすくボケツッコミの当てはめをしています。これはテンポやコンセプトは全然違いますがカンニングの漫才とフォーメーションは一緒だと思います。