キートン

キートンさんは淡々と話を進めます。その上で少しだけ他者と絡むのですが自主回収をして自分のテンポに戻ってゆきます。その事自体の面白味が常に発せられていると感じます。

　

これも一種のノリ方芸だと思うのですがそのリズムやグルーヴで場を巻き込んで制するというより、そのスピードや聞き心地自体は広く設けられているのだけどやってる事の異様性で強いインパクトを残したまま突き進むのでキートンさんの進行がブレない事自体が芸になっています。

　

タモリさんやふかわさんが若い頃はその場の雰囲気に合わせた上で喋り方を調節しながら現在の落ち着いた引き込み方にたどり着いたのに対し、キートンさんは割りと最初からこの喋りを常にし続けています。演じ込みを抜いたイッセー尾形さんや吹越満さんといった感じです。

常にこのテンションでさも当たり前かのようにボケるので狂気のようなものを感じれて非常に好きです。浅田真央のモノマネやキュートンのネタなど説明できないけどなんか面白いというニュアンスとインパクトだけで笑いになっているところが凄いと思います。この温度を保ったまま共演者や視聴者や観客の心の中などでツッコミを入れてもらう事で成立をしているのでそれをいかにセッティングするかが重要な構造の芸をしているのではないでしょうか。