見出し画像

梶本時代

何年か前にこの呟きを見て面白いなと思っていた梶本時代さん。

エッセイストの方らしいのですが、既存の枠に囚われていないアグレッシブな活動をされていてその一挙手一投足から目を離せません。

トークライブをやられていたので観てみたのですが、エピソードのひとつひとつの完成度が高く気付いたらあっという間に2時間立っていました。

この年代でエッセイストという肩書きで聞き手が壇上にいた上での無観客配信と言えどここまでの1人喋りのクオリティが高い事に驚きを隠せません。

少し調べてみると以前は大喜利ライブなどに参加されていた事があったそうです。そう言った経歴からか彼女の喋りでのくすぐり方はワードの挟み方やタイミングに大喜利の回答感が感じられそこがベースになっているようなところがあります。

これはカニササレアヤコさんや、わっきゃいさんのような世代的なものも込みでの能力なのだと思いますが、会話のターンやコミュニケーションの枠組の中で決められた喋りの尺的なものを把握していてそこに中だるみをさせず言葉を納める技術が卓越しているのだと感じます。

加えて少し低めの声質や若干のオタク喋り的な口調の早さで、ちょうど面白味の醸しでるラインにベースが設定されているためそれが相乗効果として拍車をかけていると感じます。これをコントの中での一言ボケ的なものに集約させていてそのテクニックを大喜利にも応用しているのがバカリズムさんです(なのでバカリズムさんは大喜利の回答をする時普段より声を低めにして言葉を置いていく傾向があり微量の演じ込みをしています)。

梶本さんはそれが逆に大喜利の回答が言い方芸のベースになっているため、先の動画のように対戦相手や全体の空気によってはその自分の基本フォームを崩さないままにテンポだけ掛け合って乗ってゆくというグルーヴに入っていきやすくもなっています。


なのでスタイルとしてはバナナマンの設楽さんに似ていると思います。もう少し引き込みを生じさせて言い方にイニシアチブを乗せてトークをしていくとさらに近くなると思います。

回答の種類自体もある特定の層に響く単語のチョイスや題材そのものを雑に料理するような発露を試みたり、回答以外でのコメントや間合いの埋め方も安定感があります。能町みね子さんやARuFaさんのような元々喋りやリズム感的なものが先行しているタイプの人が文章を生業とする事で言語感覚やエピソードトークなどに逆輸入的に還元されている原理と一緒なのではないでしょうか。今後どうなっていくのか楽しみです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?