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脳みそ夫

脳みそ夫さんは、そのワードや展開の若干のズラしに重きを置いた上でその台詞のイントネーションを含めたなぞりをし続ける喋り方を演じ込みとして行っています。つまりサツマカワRPGさんと逆のバランスです。

 

ネタの時よりもこの素に近いトークの方が分かりやすいのですが、進行的な気質を軸にバラエティ的なコミュニケーションをやんわりとなし崩しにするふかわりょうさんのような返しや持っていき方、雰囲気の作り方をしています。天然なのか計算なのかをうやむやにするようなイメージです。その上で笑わせるポイントのコメントの挟み方だけはそのニュアンスの型だけずっと一緒で「変であることの安定感」がず抜けてます。
 

脳みそ夫さんのなんかわからないけど面白い空気の正体はこの「変であることの安定感」を維持する本人の意識であり、特にこの脳みそ夫コンボと言われてるギャグめいたものの連打は、このノリ自体を共有してくれる周囲と本人の見られ方や通用する場のシチュエーションによって発動するイントネーション芸なのでこれ自体が沸点となる瞬間までの普段の溜めが重要になってきます。その積み重ねと見極めという点で実は常にずっとうっすら演じ続けているというある種の過剰性があります。
 
 

昔のネタを観ると言い方には原型的なものを感じますがその演出がツッコミ的な立場であったり過剰性も今より分かりやすくむしろ「ミニコントをしている感」が強いです。サツマカワRPGさんが劇団ひとりさんのような過剰な演技でふかわりょうさんのようなワードを挟む芸なら、脳みそ夫さんはふかわりょうさんのような雰囲気で劇団ひとりさんのような言い方のはみ出し方をしている芸なのだと感じます。

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