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ARuFa

ライターのARuFaさんは書き手でありながら喋りやリズム的なものを使いこなせる気質の上に、そこにフリとコナシで言えばコナシ的な役割の声の扱いが卓越しているところに天性の才を感じます。

ARuFaさんの元々の出自であるチャットやブログ記事などのネット上にある文字においても、そこにある種の世代的ノリを想起させるグルーヴを音優先で組み立てているのが感じられます。特にそれはダ・ヴィンチ・恐山さんと対峙している時に比較しやすいです。恐山さんの書き手らしい文章構成的な喋りに対して、ARuFaさんはリアクターでもありながらその場全体の空気感を緩急や抑揚や声色でコントロールしてゆきます。

こういったオモコロ編集者が集まった場でもARuFaさんは単純に発声が出来ています。一人だけ裏方的な声の出し方ではありません。ただその波及範囲は密室芸のそれに留まるラインのボリュームであったり伸びであったりするので、おそらく同級生的な仲間内でふざける時専用の自己体感支配を研ぎ澄ませたためこのクオリティで出来るのではと思います。

それがARuFaさんの書き手でありながら喋りやリズム的なものをコントロールするタイプとして特異な点だと感じます。これは芸人さんで言えば日村さんや澤部さん等の能力に近いのではないでしょうか。

もちろん書き手であるタイプ特有の大喜利性やアシスト性も兼ね備えているのですが、それよりもモノマネ的な部分やパスを受けた時の繋げ方等がコナシ役のそれに勝手になっているのです。自発的というか、岩井志麻子さんが求められてないのに下ネタを言うノリに近い(その上でそれにちゃんとメロディラインとか1ターンの尺のはみ出ていい範囲を体得している)。

このCMでも、俳優である城田優さんや、テレビタレントである吉村さんのそれより、声やリズムによる稼働範囲を映像媒体にパッケージングしている意識が感じられます。

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