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また、分岐点を通った

我が子がかわいい、というのは間違いない。

でも前からずっと、自分はどこかで子供とじっくり向き合うのを交わしてきたところがある。それが今日、また分岐点を迎えた。長くなるけど、備忘録。



我が子がさみしくて泣いていて、後少し抱っこしたら寝るかもしれない…けど、ベッドに置く。寝る時間だから。

一人遊びの中でふと、私と遊ぶことに興味をもってくれてボールを転がして遊ぶ…けど、私は親指の開かなさが気になってしまう。

…どうして私は、大事な我が子なのに、肝心なところで気持ちをすかしてしまうのか。



ぐるぐる考えて行き着いた。根っこにあるのは、自分の夫への見方と、高すぎるプライド。

ひとつめは、noteでも度々愚痴っているが、夫はかなり特性をもっていて、私はそれに困っている。特性を丸っと受け止めることができない。他人ならばそこそこの距離感で付き合っていればいいけど、家族となれば、その特性にしょっちゅう被害に遭う。

貴重品を無くしまくる。対策を取ろうと提案しても、面倒さが勝ち、また同じことを繰り返す。計画性も実効性も弱い。

出したものを元の場所付近に戻さないため、2時間でゴミ屋敷となる。危うく子どもが誤飲しそうになることなんて毎日ある。車の鍵もよく開いている。給油口が全開の時は、さらに不注意が続く前兆だ。これを見つけると、うんざりする。

思い込みや認知の仕方も独特である。本人がかなりの言葉足らずどころか、言った言わないの水掛け論も日常茶飯事。しかも私がこれにツッコミを入れてしまうものだから『責められている』と感じ、すぐに心と耳のシャッターを下ろす。

文章を読み書きするのがひどく苦手で、仕事は7割の精度までしか出ないから事務方から外された経験がある。左右盲もある。

大らかで、私に細々と要求してこないところがよくて結婚したけれど、どこか心の中で夫を見下し、『我が子が夫のようになったらどうしよう』『我が子がそっくりに育ったら、こんな人を2人も世話できない』『夫も育て方でカバーできる可能性はあったはずなのに、ばあちゃんズが度を越した関白に育てたせいで、修正が効かない年になった』と強く思っている。

だからこそ『我が子には』と躍起になり、発達のことや成長のことばかり気にしていたと思う。親指の握りこみや、ハイハイに進まないことを気にして、我が子と楽しんだりほっとしたりする機会を、ことごとく外してきた。書きながら、本当、情けない…。でも、これが私の根っこの実態だ。


ふたつ目は、高すぎるプライド。

自分の子どもが多動やこだわりの強いタイプならどうしよう、対応できなかったらどうしよう。さらに躾がなってないのは、自分の子供でも受け入れられない。加えて、自分自身のスケジュールや睡眠時間が確保されないと、イライラがおさまらない。

そんな自分本位な気持ちが捨てきれず、夫や0歳の我が子を自分の物差しでしか見られてなかった。


無意識に、自分の偏った思いを優先してきた結果だろう。いつの間にか子どもが目を合わせてくれなくなっていた。しかめっつらも多い。さらにここ数日は便秘気味で、ごはんの食べも悪い。朝寝も昼寝も家ではぐずりにぐずって寝ないので、車に積んでドライブの日々。そして、顔や体をかゆがり傷だらけ。夜は寝付く前の暴れ方もすごくなり、途中の覚醒も増えたので私はすぐに『あーもう嫌』と投げやりになる。

具合が悪そうなのは、熱の出ない風邪かな?くらいに思っていた。


ところが、二度目のベビー整体に行ったことが転機となる。


体がまだカチカチに緊張している我が子。前回に続いて背中や足を揉んでもらっている最中、ふと私は「そういえば、生まれてこの方、ぐでーんと仰向けになってマッサージとかさせてもらったことがない」と言った。「体を捻って逃げていくんですよね。寝る前とかも覚醒したら、添い寝やトントンすら受け付けてくれない」


それを聞いた整体師のお姉さん。我が子に『あなたの安心はどこかなー?』と言いながら、胸や背中をさすさすもみもみ。なんと、1時間以上の号泣をものともせず、ぐでーーーっと脱力するまで我が子の体をほぐしてくれた。これはもう、プロの技としか言いようがない。

揉みながら、「生まれてこの方、この子は脱力を知らないから、常に力が入ってしんどい状態」と説明してくれた。だから不快症状が増えている。そして、何も知らないお姉さんは「家の中や家族の状態を察知して緊張してるから」と言い切った。

先に書き出したように、私は心の芯の部分で、とても家族思いとは言えない気持ちを持っている。それが、全てに現れて伝わって、赤ちゃんを緊張状態にしていたらしい。

くたっと力が抜けた我が子は、お姉さんとニコニコしながら声の真似っこをして遊んだり、指先をもぐもぐして仲良くなっている。たった1時間で、親の私が経験したことのない仲良しっぷり。言われたことの原因に心当たりがあるし、何よりお姉さんに信頼した眼差しを向ける我が子を見て、その言葉が真実だと痛感した。


子どもの不調の原因は、私だった。


最後に、添い寝のコツを教えてもらった。とにかく動じないで、私の力を抜いてゆっくり呼吸すること。触れている部分に全ての神経をそそぐこと。たった2つだけ。

1時間以上泣き叫んだ我が子は、ニコニコしながら帰宅して、お風呂では顔を覗き込んでくれた。そしていよいよ入眠。

いつもはお乳を飲んだらベッドにポイだった。でも、今日もぐずぐずしていて、覚醒してくる気配があった。

気合を入れて、私の布団で添い寝してみる。布団が違うからだめかな、反り返ったら嫌だなとかネガティブな考えがよぎったけど、とにかく脱力と接地面に全集中。

なんと5分足らずで寝た!と思ったら、まさかの宅急便に起こされて覚醒。(夫のネットショッピングの間の悪さよ…こういうところが夫である)

気を取り直して、再度添い寝を決行したら、なんとまたもや5分そこそこで寝付いた。

今日はよく泣いたから、疲れて眠っただけかな?とも思うけど、寝入る前に足で私の身体をすりすりしていたのがたまらなく嬉しかった。そういえば、私も子どもの頃、母親にすりすりするのが好きだった。


赤ちゃんは賢い。

思っている以上に賢い。

私はまた、ひとつ分岐点を通過した。





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