傷をつけるように、この気持ちをちょっとだけ
いつもミステリばかり読む私にしては珍しく
青春というか淡い恋というか
そういう類の小説を読んでいる。
ぼんやりと、過去のことを思い出してしまう。
あの頃の私と一緒にいてくれた君の事。
君の人生ほんの少しを私でジャックした。
大人になってから再会した私たちは”普通”に溶け込んでいて
あの時の特別な感情も、仄暗い雰囲気もなくなってしまった。
私は君とお酒を飲むとき、感傷的になってしまうから
君が帰ったあとの部屋は孤独で充満する。
でもすぐに忘れる。なかったことにする。
そうすることで保っている。
忘れることが得意だ。
覚えているとどうにかなってしまいそうだから。
この話はもうやめて小説に戻ろう。
また、記憶に蓋をする。
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