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怒髪天というバンド

私が10代だったころ、それはそれはとってもめんどくさい子供だった。大人に早くなりたくて、大人に認められることが正しいことだと思っていて、早くここから抜け出したいと、もがいて必死だった。「自分のことなんて誰もわかってくれない」とんがりナイフのようなトゲトゲした自分がいた。大人になりたくて意味も分からず難しい言葉を使ったり悩んでいるふうにしたりしてた。でも今となっては、ほんと、「恥ずかしい」の一言で終わっちゃう。もっと子供時代を子供みたいに過ごせばよかったなと思う。周りの人をたくさん振り回して、ひどく傷つけたこともたくさんあったと思う。小学生~高校生のころ、ちゃんと友達もいたし、仲良い子もいたんだけど、でも心の中ではいつも独りぼっち、みたいな感覚。逃げ出したい、この町から出ていきたい、みたいな感情が心のなかでいつもウネウネしていた。嫌なこともたくさんあった。「いなくなりたい」そんな意味の分からない、いなくならない気持ちがフツフツしていた。

高校2年生17歳のときに、あるひとから、怒髪天のCDを焼いてもらった。ベストアルバムだった。

生きてるだけでOK!まァイロイロあるケド
生きてるだけでOK!他に何がいるのさ?

高校生ながらに、ええええ・・・なんかわたしやばいバンドに出会っちゃったじゃないの~???そこから毎日学校に行く前は怒髪天を聴いて、生きてるだけでOKなら、まあ学校行くだけ偉いよな・・・みたいな気持ちでした。学校という小さい枠組みの中で生きていくのが本当にしんどかった。でもまあそれはみんな必要なことで、でも当時はそれがとってもしんどくてしんどくて、本当に生きてるのが嫌だった。でも怒髪天に出会えて、本当によかった。それから時は流れて大学生になる。怒髪天にたくさんたくさん支えてもらって、私は日々生きていたのでした。

そして大学1年生の頃に大阪やら京都やら滋賀やらたくさんライブハウスをめぐっていたころ。「そうだ。怒髪天のライブに行こう。」ちょうど響都ノ宴をやる時期。後々気づくが、ファンクラブの会員でも取りにくいというライブにちゃっかり当選し、ライブハウス京都磔磔へ。そこから本当に怒髪天にどっぷりハマっていく。たくさんの人に、怒髪天をきっかけに出会うことができた。怒髪天を追いかけて全国各地回ったし、おいしいものいっぱい食べて、観光もして、感謝の気持ちでいっぱい。いつもアニイ(増子さん)が、生きてまた会おうと言ってくれて、生きるのも楽しいなあなんてガキンチョながらに思ったのだ。

怒髪天のボーカル 増子さん

今、大人になって思うのは、歳を取っただけで、大して自分って、なあんにも変わってないということ。10年前と大して変わってない。でも人にやさしい自分でいたいと思ってる。大人ってべつに偉くなかったし、アホみたいな人もたくさんいるし、誰彼構わず人を傷付けるひともいるし、「なあんだ」みたいな気持ちになる。ズルい人だってたくさんいる。清く正しい、いつも正義みたいな人なんていない。「自分の人生を認めることができる」人が一番かっこよかった。

怒髪天も売れなくて、苦しい時期があったけど、今こうしてライブハウスで出会えたことにとってもとっても感謝しています。このおじさんたちが歌ってくれているから、わたしはとても好きなのだ!若いころ苦労されたり、増子さんもいろんなことに不平等さや売れない苦しみとか抱えながら生きてきたんだと思う。いつもMCを聴くたびに説得力があって、この人がいう言葉だから納得できて、共感できて。いろんなひとがいていい、そんな気持ちになれて、自分が自分らしく生きることを肯定してくれる存在が怒髪天だった。本当にありがとうって、心から思ってる。

そんな中私は今看護師として働いていて、労働ってめっちゃ大変じゃんね?と新人のころに感じた。今までの自分が本当にミジンコに思えて、いや生きることって大変だわ、、、と思った。働いてこそ、怒髪天の良さを感じるんだわね。そして、3年前にコロナが流行し、私はライブハウスに行くことができなくなった。いろんな気持ちがある中で怒髪天がリリースした曲。

よぉ 暫くぶりだな 最近調子はどうだい?
まァ イイわきゃーねえか こんなご時世だしなぁ
また考えすぎだぜ いつもの悪いクセさ
その真面目さにつけ入られて何か吹き込まれたか
はい 正解はコチラ 例外は認めません
けたたましい警告音が鼓膜に刺さる
もぅ息が詰まりそう お互い見張りあって
出鱈目、フェイク、陰謀論
誰も信じられない


コロナ禍で本当心がすさんでいく自分がいるのが悲しかったし、みんなはいいよな。とか思う自分がいた。「仕事があるだけいいじゃん」とかいう人もいた。確かにそうかもしれないけど、最前線で働いてる人に言う言葉ですか?しんじられないね。まあそんな人もいるんですわ。残念ながらこの世の中には・・・毒を以って毒を制す!増子さんがソフトにいつも言ってくれる暴言(語弊がある)が、心地よい。ありがとう!みんなの心を代弁してくれて!最近調子はどうだい、と聞かれたなら、もう最悪だよ!と答えただろうな。しんどかったな。

そして、ありがとうを伝えたくて怒髪天のワンマンに行こう!となって、ひさ~しぶりに参加◎
やっぱり声出しが出来て、みんなでもみくちゃになって、本当に最高なライブだった。私の人生に怒髪天がいてよかった。という言葉がぴったりだ。最後出待ちをしたときに、増子さんに勇気を振り絞って声をかけた!コロナ禍が終わってやっと会いにこれたことと怒髪天がいたから今の自分がいますと感極まって涙が出てきた。増子さんが「ありがとう。」と言ってくれたけど、ありがとうなんていうのはこちらのセリフなんだよなあ。めちゃくちゃよかったほんとうによかった。
またいっぱいがんばる。

増子さんみたいな大人になりたいです。いっぱいいろんなことがこの約30年間あったけど、過去は過去だから、受け止める。そして思うのは、人を脅したりしない。今もしてないけど。人の弱みに付け込まない。今も付け込んでないけど。そんな大人が多くて、わたしはげんなりしたりする。やさしくありたい。自分は自分のお世話で精いっぱいだけど、せめて自分のまわりのひとたちくらいは、大切にしたいし、幸せであってほしい。よく増子さんも言っているよね。みんなを幸せになんかできないから。自分と自分のまわりの好きな人たちは。ね!


ロックバンドが理想や夢歌わずにどうする
どんなクサいセリフでも
ロックに乗せりゃ叫べる!
ロックバンドが本気で信じてないでどうする
こんな腐った世界をいつかきっと変えられると


信頼できる、信用できる。そんなロックバンドです。大好きです。怒髪天に出会えて、怒髪天を好きになって、ほんとーーーーーっによかった!!!!!!!!


ありがとう。わたしもステキな大人になります。

2022年?アラバキ 怒髪天のリハのとき。

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