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競技活動自伝No.15〜超長距離〜

この文章は、書籍『大陸を走って横断する僕の話。』
(2016年11月23日 台湾 : 木馬出版社より発行)     の日本語原稿です。

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〜超長距離〜

「サハラマラソン日本人1位」自らの足で掴みとれたその実績は「あの砂漠を走り切ることができたんだから、何が起こっても乗り越えられる!」という自信となった。心のどこかで東京に怯えて地方を転々としていた過去と決別し、新しい生活を送ろうと地元の八王子へ戻った。レース体験を活かせそうなアウトドア総合ブランドでの仕事を見つけることもできた。

2006年4月下旬

金坂から、同世代のランナーとして瀬ノ尾敬済を紹介される。彼は、なんと2002年にランアクロスアメリカを完走した実績をもつ史上最年少の大陸横断ランナーだった。

同世代で、世界のウルトラマラソンに本気で夢をみている選手に出会えた縁が嬉しく、その日は金坂のアパートで3人で夜通し夢を語り合った。

特に瀬ノ尾が熱弁したのは、その時期に世界五大陸横断ランニングを達成したフランスの鉄人、セルジュ・ジラールだった。自分たちの世代で、セルジュを越えよう!を合言葉に各々が、自分のやり方で国内外の“過酷”と冠するレースへ挑んでゆくプランを練った。

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1,943字
一冊の書籍原稿を章ごとに配信する連載形式でお届けします。(2019年7月8日〜29日) 期間終了後も、一冊の書籍原稿としてお楽しみいただけます。

2016年11月台湾・木馬出版社から製本化されたウルトラランナー井上真悟 自伝「RUN一直跑下去:世界超馬王者的跑步之道」日本語原稿の21…

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