見出し画像

VisionPro大集合 ようやくわかりかけてきた使い方

VisionPro、やっぱり最高だ。部分的に
もう一個くらい欲しいかもしんない。

昨日は長岡に出張して本を自動執筆するサンプルコードを例に取りながらコードリーディング、つまり「コードを読む」ことを目的として講義した。

新幹線の中でMacBookAir(M1)を開き、VisionProと接続した瞬間、俺は泣いた。いや、泣いてないけど。心で泣いた。

Macの画面が空中に飛び出してくる

やってみないとこの便利さはわからないだろうが、衝撃的に便利なのである。

今まで、新幹線で、飛行機で、幾度もPCを開いては変な姿勢で目を凝らすということを強いられてきた。

ところが、もうVisionProのある世界ではそんな悩みとは無縁だ。
好きなところ、好きな空間に好きな大きさでディスプレイを配置できるのである。

考えようによっては、自室よりも自由度が高い。

しかも、YouTubeを流しながらプログラミングする、なんてことがごく普通に行えてしまうのだ。

なんなら、このためにAirPodsProを買ったくらいだ。ピュアオーディオの対極とも言えるこのデバイスは、空間オーディオには最適解なのである。

ただ、空間コンピューティングは空間にバッチリと依存するのでブラウザをつまんで持ちながら移動しないとウィンドウが置き去りになる。

ビークルモードもあるが結構トラッキングを失う。
窓のない座敷牢みたいな場所じゃないと厳しいかもしれない。

タクシーの中でも使えなくはないが良くトラッキングを見失う

ブラウザが俺についてくるような、通称「犬の散歩」と呼ばれるようなサムシングをするためには Mission Hubというアプリを使うしかないらしい。

12個のウィンドウで別々のページを開けるMissionHub

ところがこれが飛んだ食わせ物アプリで、ブックマークはできないしよく落ちるし、落ちて再起動するとURL入力し直しで、URL入れてリターンを押すと変な文字コードがURLに含まれてしまってちゃんとジャンプしないし、極め付けはFacebook開いて飛んできたメッセージのリンクに行こうとするとそもそもリンク先にジャンプしてくれないなど・・・・およそ金取るってレベルじゃねーぞというものなのだ。

しかしこいつは唯一、確かに歩いているとウィンドウがついてくる。
そこだけが可愛いポイントなのである。

ただし、縦方向の移動には弱いというか考慮されてないらしく、階段やエスカレーターを上り下りするとウィンドウを見失う。おい、お前の国にはエスカレーターも階段もないのか!?

なんかワンタッチで自分の周りにウィンドウが来てくれるような小粋な仕組みがあれば嬉しいのだが、そんなものはない。今のところ。5ドルか。初モノ価格だなあ・・・と思いつつ。

ところで、僕が子供の頃、最初の最初のMacintoshは日本円で100万円以上した。

当時は「借金トッシュ」というあだ名がついていたくらいだ。もちろん日本語など使えない。でもあの当時のMacは、なんだか得体の知れない魅力を放っていた。

忘れもしない。僕が最初にMacintoshと触れたのは小学五年生の時の天文ファン主催の胎内星まつり。

高精細なビットマップディスプレイに描き出された星空や、無意味に思えるほど詳細まで書き込まれたスペースシャトルのシミュレータ、そして、無限に喋り続ける人工無能(開発元は人工狂気と称していた)であるRacter。

思えばあの体験には今の僕を形作った全てがあった。

日本語が使えない?いんだよ細けえことは。それよりも、世の中がデジタルカラー8色の640x400ドットが前提だった時代、モノクロで512 × 342ピクセルの表現力を極限まで高めたMacintoshは、やはりただモノではなかった。

いいかい。カラーディスプレイがなかったんじゃないだ。AppleIIはカラーだったし。なのに敢えて、モノクロのディスプレイのマシンを作ったんだ。

それは、当時のコンピュータの処理性能では、カラーで何もかも扱うには、やりたいことに対してコストが合わなかったからだ(たとえ100万円のマシンでも!)。

その後、Macintoshの失敗の責任を取らされる形でAppleを追放されたジョブズは、さらに高価な300万円のワークステーションを開発する。NeXTだ。ロゴだけで一億円かかっているらしい。こいつも、1990年の製品だというのにモノクロだ。徹底しているのである。そのNeXTも商業的には失敗するが、最後に大逆転して今はNeXTのOSは世界中の人々のポケットに入っているのはご存知の通り。

そう考えるとVisionProはカラーだし、音はゴージャスだ。びっくりするくらい綺麗だし、AppleTVに入ってるイマーシブ動画はちょっと引くほどリアルだ。

贅沢すぎるくらいなのである。これが3000ドルというのは、おそらく桁違いに安い。

そもそもiPhoneの上位機種だって2000ドルくらいするんだから、それより高性能なものが3000ドルは妥当だという気がしてくる。日本円が弱すぎるだけで。

何より、アイデアがどんどん湧いてくる。
そこなんだよ。

アイデアがどんどん湧いてくるという状態が普通はないんだ。
長い間眠っていたような感覚だ。

2010年にiPadが発売された時もアメリカまで買いに行って「iPad持ってる人集まれ」と言ってパーティをした。

2024年、VisionProを買った酔狂な日本人たちをIttosaiが集めてパーティした。楽しい。この感覚だよ。こういう感覚。

誰も持ってないハードで何かやる。それは最大のブルーオーシャンでは

昔、失敗したと言われるNeXTというハードが出た時に、二つの画期的なソフトが開発された。一つはWolfenstein3Dで、のちにDoomとなって、今やゲームの一大ジャンルであるFPS(First Person Shooter)という分野を切り拓いた。

もう一つは、あちこちのサーバーに散らばる論文をごく簡単な記法で接続するモノだった。WWW(World Wide Web)というソフトだ。

NeXTそのものはもはや発売されていないが、macOSもiOSもvisionOSもその直系の子孫である。

ソフトウェアの革命は、いつも新世代のハードウェアから得られるインスピレーションによってなされるのだ。