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【照内央晴×shezoo 2台のグランドピアノによる即興演奏vol.2】

無事かどうかわかりませんが、終了しました。お聴きくださった皆さん、ありがとうございます。

無事じゃない出来事は、会場のクラシックスに入った瞬間から始まります。

そう、そこでは昼公演の出演者の皆さんが楽しそうに打ち上げモードでくつろいでおられました。普通によくある昼夜2回公演の入れ替えは、これまで何度も経験していますから、特段のことではない。

だがしかし。その楽しそうな輪は、リハーサルが始まっても解けることはなかったのです。(ヤバい…)でも仕方がありません

今回は、クラシックス横田さんの提案で、通常の向き合い2台グランドピアノ1台は蓋取りモードではなく、クラシックスの音環境を考えた楽器の配置でリハーサルが始まりました。

リハーサルといっても完全即興のライブ。なんの決め事もなく、2台の異なるグランドピアノの感触を確かめながら弾き始めたら、ヤバい状況の意識も薄れて、なんだか楽しくなっていたその時。

「こっちのピアノの場所を..」という声が輪の方から聞こえてきた。

え?なんと、その声の持ち主はまさかの昼公演出演者、芳垣さんと田中信正さんではないですか?!

丁寧に、音環境が整うまでピアノの位置をアドバイスくださったこと、感謝をするばかりです。


ということで、2台のグランドピアノによる即興演奏開始。


前回は初めてでもあり、照内さんの胸をお借りする気持ちで演奏しました。

ならば今回は…

ピアノの置き場所のことで、信正さんが次に聴きたい音として提案してくれた作曲家の名前が演奏しながら脳裏によぎったのでした。

混沌とした音世界の中に

ストラヴィンスキー のペトルーシュカ

バルトークのミクロコスモスの蝿

ブラームスのチェロソナタ

クラシックのメモリーがほとんどない自分は、アバウトな記憶を散りばめたのでした。

それを完全即興として良いのかどうか....。

きっと「無事」ではなかったはずなのに終演後にいただいた拍手があまりにも熱くて、泣いちゃいそうでした。

このユニットは、完全な即興です。

だからこそ、一音の価値を、それはそれは大切に演奏をせねばならない。

photo by 小林 真希



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