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葵 史緒
2021年8月21日 22:07
ここから先は、今まさに厳しい状況にある人や過去のつらい経験に苦しんでいる人と、現状それほどしんどくないという人とに分けて、この本について考えてみたい。 まず前者からだが、エディの回顧録がアウシュヴィッツ経験者の手によるものにもかかわらず陰惨な印象を与えないのは、幸運にも、彼の身近にはいつも友人と家族がいたからだ。 私が冒頭で「読む人によっては絶望するかもしれない」と書いたのは、このことによ