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DTM講座!ステップアップコース 最終回〜他の楽曲に劣らない音圧をしっかり稼げるマスタリングのやり方〜
今回でいよいよ最終回です。
第一回と第二回については、こちらから公式ラインに「ステップアップ」とお送りください!
第三回はこちら
第四回はこちら!
日頃音楽を作っていて
「なんか、他の楽曲と比べて音ちっちゃいなー」
とか思ったことありませんか?
原因はマスタリングにあるかも知れません。
しっかりと低域から高域まで満遍なく音があり、いい音で音が詰まっていたらあとは最後の微調整をするだけでOKです。
大切なのは
マスタリングは音圧を整えるだけ!!
ということ。
各帯域の整理、パンを左右に振ってのステレオイメージは、ミックスの段階で99%終わっているのが理想です。
マスタリングでできることは少ないです。
楽曲作りが料理だとしたら、マスタリングはホールスタッフさんがお客さんのところに持っていく最後の段階。
調理場での仕事は完了していなければなりません。
でも、ホールスタッフさんにしかできない仕事もあります。
マスタリングだからこそできる処理を行なっていきましょう!!
では、早速やっていきます。
今回の内容は
●MS処理
●コンプの使い方
●サチュレーションの使い方
●ディエッサーのテクニック
●マキシマイザー・リミッターの使い方
動画はこちら!!
マスターとは
「マスタリング」とは音の最終出口である「マスター」に適切な処理をしていくことです。
マスターはDAWによって呼び方が違います。
Cubase、Logic Pro、Studio One→Stereo Out
厳密にはStereo Outの次にMasterがあるという考え方!
Ableton Live→Master
マスタリングとは
じゃあ、「マスタリング」とはそもそもなんなのか。
CDや配信に載せるためには、
「ここ音ちっちゃくね?」
「ここはでかっ🔥」
があると、リスナーはボリューム上げたり下げたりしなきゃいけなくて大変です。
マスタリングの大きな役割がこの音量(音圧)の調整があります。
かっこよく言うと
「ダイナミクスレンジを狭める」ってことです
あとは付随する「マスタリングでしかできない処理」をしていきます。
マスタリング① MS処理
2MIX、つまり左右のスピーカーからステレオで鳴っている音にはいろいろな種類があります。
その一つが「MS」です。
MidとSide。つまり真ん中と両側です!
![](https://assets.st-note.com/img/1668679246473-hFxtuAkV1Q.png)
こういうこと!!
スピーカーで市販の曲を聴いてみてください。
ボーカルやキックはモノラルで真ん中から、ストリングスとかシンバルとかは耳の後ろあたりから聞こえてきます。
基本的に
Mid → 低音を出して、高音を下げる
![](https://assets.st-note.com/img/1668679343882-Vod9jswZ8I.png?width=1200)
真ん中にいるキックやベースを強調しつつ、左右に振られがちな高音域を削ります
Side → 低音を削って、高音をあげる
![](https://assets.st-note.com/img/1668679356342-59xV6X7COp.png?width=1200)
これをやってあげると広がりが出てきますよ!!
各DAW付属のEQでもこの処理ができます!
試してみてください!
マスタリング② Compressor
マスタリングとは「音量の差をなくす」と先ほど書きました。
ここから少しずつその処理をしていきます。
音量の差をなくすために、少しコンプを入れていきます。
Ratio 2〜4:1 くらい薄ーく自然に。
出過ぎたところを少し叩くかなーくらいにかけていきます。
Gain Reductionも、-1〜-3dBくらい出てればOKです。
ここで活躍するのが、「Glue Compressor」と呼ばれるVCAコンプです。
有名なのはSSL G-Bus Compressorですね!
![](https://assets.st-note.com/img/1668680075857-pfJL7YuVEZ.jpg)
レスポンスが速いのでかけると「Glue=くっつく」感じがあります。
アタックは早めすぎない方がいいです。
無料のものだったら、VCAではありませんが、「Tokyo Dawn Records」の「Kotelnikov」が超おすすめです!!
![](https://assets.st-note.com/img/1668680199199-RbugJou1Ka.png?width=1200)
コンプをかけて音量差を無くしましょう!!
マスタリング③ サチュレーション
サチュレーションとは「DRIVE」と言われたりする「歪み」を足すことのできるプラグインです。
「倍音を付加する」ということもできます。
アナログのアウトボードで処理していた時代は、自然にこのような「歪み」が付加されていました。
その歪みの良さがアウトボードを特徴づけていたんですね!
でもデジタルの時代になり、音はよりクリーンに雑味なく録音、エディットできるようになったんです。
でも、そこで失われるのが「あったかさ」や「太さ」「まとまり」です。
マスターにこうしたサチュレーションプラグインを挿すと、ブワッと前に浮き出てくるような効果を与えることができます。
代表的なのが、「テープサチュレーション」「チューブ(真空管)サチュレーション」です。
昔、音楽はテープで録音されていた、というのはなんとなく想像できますよね!
あれ、めっちゃいい音するんです!
![](https://assets.st-note.com/img/1668689526657-Oexh34yCZq.jpg)
各DAWにもサチュレーションプラグインが付属していますよ
是非試してみてください!!
マスタリング④ ディエッサー
意外と忘れられがちでかつ、差が出るのがこのディエッサー!
ボーカルの「歯擦音」、サシスセソを取り除くためのエフェクトです。
ある特定の高音域のみコンプするというもの。
コンプやサチュレーションで持ち上がりすぎてしまった高音域のキンキンするところをおさえて耳障りな部分を鳴らしてあげる役割があります。
個人的おすすめは「Soothe 2」
これは、正確には「ディエッサー」ではありませんが、高音のキンキンした成分を取り除いてくれます。
![](https://assets.st-note.com/img/1668691419042-6hbVPubLAu.png?width=1200)
無料のものだと「T-deesser」がいいですよ!!
マスタリング⑤ マキシマイザー・リミッター
ここまで、音量差をなくし、左右の広がりを足し、音をブラッシュアップしました!
あとは、「でかいとこデカく!小さいとこもしっかり聴こえる!!」
ようにする作業です!
「突っ込む」なんて言い方もしますね!
ここで活躍するのが「マキシマイザー」と「リミッター」です。
このふたつはよく似ています。
ほぼおんなじものだと思っておいても間違いじゃありません!
基本的には、上限を決めてそこまで音量を上げてあげます。
Ceilingは-1.0dBくらい。
そこにGainをどんどんあげて突っ込んでいきます。
小さい音が持ち上がって、デカすぎるところは潰されます。
ここでも見るべきは「Gain Reduction」
どのくらい潰されているかはみ出ている音量を指す数値です。
-3dBくらいを目安に突っ込みましょう!
![](https://assets.st-note.com/img/1668691901283-UrZLlIoJaw.png?width=1200)
書き出したら、こんな感じの「海苔」みたいな波形になるように!
今のトレンド的に、「ちゃんとダイナミクスはそのまま残して音楽的に表現しよう!」みたいな雰囲気があります。
「海苔」はあくまで参考程度にしてくださいね!
![](https://assets.st-note.com/img/1668692261803-NWraXStCua.png?width=1200)
クリッピング
0.0dBを超えるとデジタルクリッピングという現象が起きます。
スピーカーとかイヤホンがピキピキいっちゃうやつですね!
これだけは越えないように気をつけましょう。
マキシマイザーで音圧をあげた後に、リミッターで越えないように押さえつけることをおすすめします。
LUFSってなに?
最近何かと話題の「ラウドネス」ってやつです!
YouTubeやSpotifyなどはいろんなアーティストをシャッフルして聴く文化があります。
どんなアーティストの曲でも音量の差を無くそう!!
ってことで、各配信サービスにアップロードすると音量が抑えられます。
そのための指標として大切なのが「LUFS」という単位です。
簡単にいうと「耳で感じる大きさ」というやつでしょうか!!
ほとんどのプラットフォームでは、だいたい-14LUFSがいい!とされていますが、結局音量は下げられちゃうのであんまり気にしなくていいと思います(自己責任でお願いします笑)
音量の差が大きいと、小さいところはより小さくなってしまうのでそれ以前のコンプやマキシマイズの部分でしっかりと差をなくしておくのが大切です。
目安としては、-9LUFSくらいにするようにするといいと思います。
無料プラグインの「YOULEAN LOUDNESS METER 2」
これはすごく使えるのでぜひ使ってみてください!
![](https://assets.st-note.com/img/1668701094932-1jbDdymMqX.png?width=1200)
バウンスしよう!!
ここまできたらあとは「書き出し」をすれば完成です!
「書き出し」は「バウンス」「エクスポート」なんていわれたりします。
ステレオ 2MIXを書き出して聞いてみましょう!
いろいろな形式があります。
mp.3 wave が代表的ですね!
一番重くて、音質がいいのがwaveですね!
サンプリングレートは48kHz 24bit と設定しておけばまず間違いないです。
ちなみにCDは44.1kHzですね!
YouTubeも44.1kHzを推奨しています。
最後は確認!
音源ができたら
— はが しぇぱあど/音楽作る人 (@shepherdstudio_) October 27, 2022
✅いつも使ってるスピーカー
✅いつも聴いてるイヤホン
✅スマホ
✅車持ってるならカーオーディオ
いつも音楽聴いてる環境で必ずチェック!!
サザンの桑田さんはマスターをカーオーディオに入れて聴きながらドライブするそうですよ!
いろんなシュチュエーションで聴いてみてください!
リファレンス音源との比較も忘れずに!
しっかり音圧があって「いい曲だあ💡」って思えたら、完成です!
改善点、反省点があったら、今すぐ直せるものは調整!
無理そうだったら、次の曲に活かせばOKです!
やっぱり曲数作るうちにできるようになることは増えていきますよ!
最終回のワーク!
もちろん完成マスターを作りましょう!
いい曲だったらなんでもいいんです!
最後に
ここまでお読みいただきありがとうございました!
いかがでしたでしょうか?
音楽のレベルが、知識の量が上がったのではないでしょうか?
第一回でも書きましたが、この講座は「とりあえず一曲作る!」のが目的ではありません。
2.3.4曲目をコンスタントに作り続けられるようにするためのコンテンツになっています。
どこの初心者講座にもない内容になっています。
もし「参考になったよ!」という方がいらっしゃいましたら、ぜひ公式LINEの方に感想をお待ちしております!
よくわからない…、もっと深く知りたい!!という方は公式LINEまで直接ご質問をお願い致します。
どしどし送っちゃってくださいね!
僕が起きている限りお答えしていきます!笑
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