MEE科目のOutline-Trust

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Trustとは?

 日本だとあまり馴染みがない、Trust(信託)を取り扱う科目。Trustとは、財産を受託者に託し、委託者決めた目的に沿って第三者や自分のために運用・管理してもらう制度である。

勉強のポイント

1.trustの種類と性質を押さえる

 Trustという科目の1つの山は、数多く登場する"xxx Trust"が一体どういった性質のものなのかを整理して把握することである。

2.当事者の権限を押さえる

 Trustの種類・性質とも関連するが、登場人物がそれぞれどんな権限を有しているのかを把握することも重要である。

Trustの分類(Type of Trust)

1.General Idea

 Trustの一般的な性質として、以下の3つのポイントが挙げられる。

1) 撤回可能かどうか(Revocable or Irrevocable)
 1つ目の視点は、一旦成立したtrustが撤回可能(revocable)かどうかである。撤回可能なtrustをrevocable trust、撤回不可能なtrustをirrevocable trustと表現する。

2) 裁量の有無(Mandatory or Discretionary)
 2つ目の視点は、受託者(trustee)に裁量が与えられているかどうかである。裁量が与えられていないタイプのtrustであれば、trusteeは全ての収益(trust income)を分配する必要があるのに対して、裁量が認められている場合(discretionary trust)、いつどの財産を分配するかについてtrusteeの判断に委ねられている

3) 明示信託かどうか(Express or Remedial)
 3つ目の視点は、信託設定者(settlor)が意思表示を明白に示すことにより設定される信託かどうかである。これに該当するものをexpress trustと呼ぶのに対して、明示ではないremedial trustは、裁判所が成立される衡平上の救済手段(equitable remedy)であり、受動的な性質を有する。

2.撤回可能性の考え方:presumption of revocability

 Trustの撤回可能性は、法域に応じて取り扱いが以下の通り異なる。

1) Majority view/UTC (§ 602(a))
 Trustに撤回不可と明示されていない限り撤回可能と推定(presumed to revocable unless it expressly states that it is irrevocable)

2) Minority view
 撤回不可と推定(presumed to irrevocable)

3.明示信託(Express trust)

 上述した通り、express trustとは、財産の所有者が、当該財産についてturst relationshipを構築するという意思表示をした結果、設定されるtrustである。Express trustは、その目的によってさらに大きく2つ(private or charitable)に分類される。

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