思い出し笑いのように
アノヒトの名前を口にする。
心臓に穴が開いて、
中からごぼごぼと
紫のような桜のような色をした
べっとりとした物が流れ溢れ、
ばん、と心臓が弾ける。
血の粒から爪の先まで、ソレに覆われる。
驚く。
本当に、好きだったんだ、と。