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質問 2. 超過死亡は、厚生労働省も調べてましたよね?


回答2.

はい。
厚労省が雇った調査班の人たちが集計しています。

そしてその集計データは、
ダッシュボードで公開されるようになりました。↓

ここで公開されているデータを
Excelに貼り付けて、グラフにしてみたんですが、↓

感染研の週別の超過死亡まとめ(Excel)
https://drive.google.com/drive/folders/180cVr4881oqGhYbhkU8dweRWGTmMxazh?usp=share_link

ちなみにこちらが、
うちで作った超過死亡とグラフなんですが、
ぜんぜん違うわけなんですよね。↓

「人口動態 概数」(ほぼ確定値)による超過死亡と相関係数(月別)https://ariradne.web.fc2.com/corona/MHLW/correlation/index.html

双方のグラフを並べてみたものがこちらです。↓

上のグラフが当方の死亡超過。下のグラフが感染研の死亡超過。

この「概数」というのは、
確定値との誤差が、年間計でも1ケタ台という
厚労省いわく「ほぼ確定値」なんですよ。

うちの「超過死亡」というのは、
その過去年の死亡数から、
ExcelのGROWTH関数で算出した推計値よりも
増加していた場合の増分値なんです。

ですから、
これほど開きがあるのはおかしいんですよ。

何が違うのかを調べてみたのですが、
比較に使っている「予測値」からして違うようです。

これは、死亡届の遅れによる加算分を考えに入れて
推計した値であるらしいんですが、
このサイトの下部にある
「誤差の判定」で確認してもわかるように、
届け出の遅れによる誤差はほとんど出ていません。

感染が拡大している地域では、
20%以上の超過が出ていますから、
ここまで大きく減ったりはしないはずで、
なにか作為的な統計手法によって
推計されたものなのではないかと思われるのですが、

ダッシュボードでは、
この「予測値」しか公開されていないため、
確かめようがありません。

おそらく、がんなどの、
コロナとは
直接影響のないような死因を除外してカウントしている
のではないかと考えられるのですが、
これでは、
医療逼迫などによる間接的な死亡など、
感染が拡大したことによる被害全体が把握できません。

また、この件については、
以前に質問フォームから問い合わせを行ったのですが、
回答は得られませんでした。

全死因については対応してくださったようですが、
やはり「予測値」なるものがおかしいようです。

これについては、次のような指摘がありました。↓

ところが、2021年末の報告以降
少しずつ
超過死亡数の報告の仕方が
変更されている
のです。

感染研の
超過死亡ダッシュボード 自体の数値変更は
ない
のにも拘わらず、
超過死亡の内容が変更されていくのは
不可解な話です。

https://agora-web.jp/archives/2055913.html

迷走する感染研の超過死亡 鈴村 泰 「アゴラ」2022年4月9日

しれっと変更された厚労省アドバイザリーボードの超過死亡データ
http://ysp.in.coocan.jp/hp/a102.htm

院長 鈴村 泰  医学博士  元皮膚科専門医

また、予測値の算出に用いている「ポワソン回帰」についても、
次のような問題点があるようです。↓

第一に、
ポアソン分布によるカウントデータ分析では
ゼロ値を実際よりも
少なめに推定してしまう傾向がある

第二に、
カウントデータでは、
実際には分散が平均より大きい(overdispersion)
ことが多いことが知られている。

https://www.ier.hit-u.ac.jp/~kitamura/lecture/Hit/08Statsys11.pdf


「ミクロ計量経済学入門」北村行伸 第11章 カウントデータ分析:医院への通院回数問題 

予測値」だとか「推計値」というものは、
感染者数の増加予測など、様々なところで活用されていますが、
当たることはごくまれです。

(そのようなことから、当サイトでは、
 最初は「推計値」を付けていなかったのですが、
 要望を受けて、途中から付けるようになりました。

 ※これはExcelのGROUTH関数で求めていますが、
 やや強気な推計値であり、
 そこから求められる増分増加率は、
 実際の死亡超過よりもやや少ない可能性があります。

 ※また、2019年の超過死亡を考慮していないため、
 実際の死亡超過よりも少ない可能性があります。)

また、恣意的な手ごころを加える余地もあり、
権威のある研究機関が調べたものであっても、
政治的な影響を排除することはできません。

このサイトとしては、
手心を加える余地のない生のデータをそのまま使って、
わかりやすい計算をしてみせることによって、
誰でも自分で確認ができる形で、
全国でほぼ連動して大きな超過死亡が出ている
ということをお伝えしょうとしています。

控えめの推計ではあるのですが、
「少なく見積もっても、このぐらいは出ていますよ」
という、慎重な方向けの推計であるとお考え下さい。

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