4.19

海に来た。
ここ数年間、確か友達が死んでしまった前後くらいから毎年冬になったら1人で海に来るんだけど、今年は環境が変わっていままでどこにも行けなかったから今更来てみた。
わたしの住んでるところには海がないから毎年電車で海まで出てたけど、今年は車に乗って、高速道路が怖いから下道をゆっくり走って、案外簡単に来れたから帰りは高速道路で帰ろうかな、とか思いながらいま海辺でこれを書いている。

4月の海はコート着なきゃ行けない真冬の海よりもあきらかに人が多くて、砂浜にいたけど早々に知らない人に絡まれて虚しくなって車に籠った。イヌをナンパのダシに使うな。女2人で来てる丁寧な暮らしタイプの人間はこっち見んな、1人で海に来る派手髪の鬱病患者もどきがおもしろいのはわかるけれども。
用意周到に靴下は2足持ってきたのにタオルを忘れたから後で海に入ったら靴下で足拭いちゃおうかな。ここまで2時間とちょっとかかったから何時に帰ろうかな、明日は11時から仕事だから2時には眠りたい。20時にでもここを出れば帰ってお風呂に入っても余裕があるかな。人が減って暗くなってから砂浜にもう1回出たいからあまり早く帰るつもりはしてない。ママには夜ご飯食べて帰るねって言ったけどきっと面倒で何も食べずに帰るかコンビニで済ませる、だって今日今までに食べたものですらミニストップのフライドポテト 以上。
案外それが普通なのかもしれないけど、いままでは1食で2.3人前食べるのも1日5食も当たり前だったから、食べられなくなってから一般的な"ごはんのじかん"がとても虚しいものになった。1日3回、虚無の確定演出。大人になるってこういうことだろうか。人の目を気にしなくなって、注意書きがよめなくなって、あんな大人恥ずかしいなあって子どもに思われてる大人はたくさん見てきたけれどそうはなりたくない。でもそうならないためにご飯が食べられなくなって毎晩ひとりで泣くようになって肺と肝臓が汚れていって休みの日の1人小旅行でまで仕事のことを考えて時間に追われてるくらいなら、前者みたいな恥ずかしい大人になりたかったかもしれない。あ、カラスがスキップしててかわいいなあ。

去年の夏、短大を入学3ヶ月で中退した。ゼミ担が一緒に泣いてくれたのでちょっとだけ悩んだけれど、流行りのウイルスに奪われた憧れのJD生活は思いのほか辛くて、同級生(ずっと友達とは呼べなかった、だってみんな丁寧な暮らしタイプなんだもの)のインスタをブロックして、ゼミ担にメールと電話で謝ってお礼を言った、できる大人!中退してすぐ免許をとって、フリーター生活を謳歌したあと今年に入ってずっとアルバイトしてたお店に就職して、それから2ヶ月でずっとお世話になってきた大好きな元店長が退職したからわたしが店舗責任者になった。実質高卒で部屋がヴィレヴァンでゴリゴリの精神病でADHDのわたしが店長になったんだから本当に人生何があるかわからないなあ。大学を辞めてからの怒涛の新生活は思ってた5億倍忙しくてしんどい、それこそ連休がずっと取れなくて海ひとつ行けないほど。あ、ゆうやけこやけが流れた。全然夕焼けてないし日も暮れてないけどそんなもんか。

友達とか彼氏とかほしい。みんなそういう大切な他人がいて海だってそういう人と来てるもんな。まだ日が高くて日没時刻を検索したら18:30らしい、あと1時間ここで憂鬱してるの、有意義なんだかなんなんだかよくわからない休日だなあって自分でも思う。今日は昼までに起きれたらここに来るって決めてた、二度寝して起きたら12:03だったのでギリギリセーフと思って来たけど今晩と明日のわたしは後悔しないだろうか、不安になってきた。未来のこととか難しいことをたくさん考えて生きるのに疲れた、大金当選とか石油王と結婚とかなんの心配もないニート生活とか望まないから人並みの幸せが欲しい。まともな親、まともな兄弟姉妹(強いて言うならお兄ちゃん)、そこそこの人数のまともな友達、わたしのことをきちんと見て好きでいてくれる恋人、かわいいペット、定期的に休める仕事、普通の暮らしに不自由しないお給料。普通って思ってたよりもむずかしくてハードルが高い、それをちゃんとこなしてる大多数の普通の人ってすごいんだなあ、あー全部辛いな。ここはTwitterかな?Twitterやめたいな。人が嫌で海辺に停めた車に籠って誰が見るわけでもない日記をダラダラ書くのもやめたい。何書きたいのかわからなくなってきた、日が沈むまでちょっと寝ようかな。


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