クロニクル

時刻は夜でここは田舎だというのに外は明るい。住宅街は人が沢山いて、けれどこの街ではみんな眠ってるから、服の1枚すら息苦しくて下着で過ごす癖のあるわたしはレースのカーテンを1枚隔てるだけで安心して窓を開けることができた。家はどうも居心地が悪い、職場も友達の前もどこもそうなんだけど、みんなが休まる場所であろう家すらくるしい現実がつらくて せまい窓にのぼってちいさくなって外の音を聞いている。友達も家族もいないみたいなものだった、恋人なんてもちろんいないし。

いつからか離人感を酷く感じるようになった。 今ここで過ごしている自分が本当にここに存在していて生きているのかがわからない、iPhoneの音が自分の声が遠く聞こえて虫の声と飛行機の音が映像作品みたいに感じられて、この家にはこの部屋にはこの世界にはだれもいなく思えてここは現実じゃないのかとすら考えてしまう。電子タバコの振動と光、それからヤニクラの不快感が唯一わたしの存在をわたしに教えてくれたけれど それだってほんとうは作り物なんじゃないか、夢なんじゃないかと思えてまたくるしくなる。

化粧を落としてなかったのを思い出して、やっとの思いで窓から降りた。カーテンを一枚隔てていたのは何の意味もなかったらしく部屋中タバコの匂いでいやな気持になったから、クローゼットに並んだ大量のファブリックミストから適当に目についたものを選んで部屋中にばら撒く。誰かの甘い匂いに似ているけど誰の匂いだったか思い出せなくて 過去すら存在が疑わしいことにどうも虚しくなって厚い化粧と一緒に冷たい水で流した。スキンケアも面倒で布団に突っ伏しているけど、明日後悔するんだろうなぁ。乾燥しかかって目に張り付いたカラコンを取ってレンズの分厚い眼鏡をかけて、死にたくなった。
そういえばこの前同窓会のライングループに招待された。元いじめっ子のたくさんいるそこには5日くらい悩んでやっと参加したけど後悔しかしていない、わたしがこんなことになった原因の一つの中に飛び込むのはやっぱり怖かった。
きっと学校中で一番変わってしまった自信がある、セオリー通りの芋臭い陰キャオタクちゃんが、一人で繁華街に出て1メートル歩けば声をかけられる顔商売勤めの地雷女になったのだから これを超えられるのはきっと犬が魚になったとかそういう超現象トンデモ変身だけだ。けどやっぱり怖い、もうあの時を知っている人たちのなかで息をすることが想像するだけで怖いのだ。人権がないというにはこういうことか、やっぱり生きるのはつらくて難しい、お金もない余裕もない普通の心もないし努力もできないわたしにはハードルが高すぎたんだ。諦めたいなぁ全部。

最近瘦せたねと言われた。わたししか友達がいないと言いながら裏垢でわたしの悪口を延々と呟いていた人に。実際痩せてしまったわたしは人より少しだけ綺麗だった身体が崩れてきている現実がどうも怖かった。
最近怯えてばかりだ、世界はバカに厳しいから。

何を書きたかったのかまた忘れてしまった。本当にわたしはだめだ、疲れてもう頭が回らない。とりあえず存在証明と豊胸のためにメンタルとお金でも蓄えようかな、タイピングが小学生みたいになってきたから今日はここまで。また気が向いたら日記書こう、今日はもう眠ってしあわせな夢を見て現実逃避しよう。おやすみわたし。

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