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9mm Parabellum Bullet のこと。


皆さんこんばんは。しーぷ。です。
僕は学生時代から音楽が好きで、今でも良くYouTubeやサブスクで旬のものや、青春を感じるものを聴き漁っているのですが、その後者、自分の青春を投影するバンドについてお話しします。

バンドといえば、ポルノグラフィティをこよなく愛する僕ですが、実のところ雑食で、高校生の頃はTSUTAYAで直感的に手に取ったCDを試し聴き、少しでも気になったものを借りる、そんな週末を繰り返してました。
(そのせいで、折角の高校時代、恋愛を完全におざなりにしてました。笑)

そんな、偶然と奇跡の中出会ったのが、
“9mm Parabellum Bullet”というバンドでした。

それまで出会ったことのない、鮮烈なサウンドと衝撃。厨二心を煽る泥臭いロックチューン。
「そうそう、こういうのを待ってたんだ」と、
『The World』『Mr.Suicide』『Supernova』『Psychopolis』...一つ、また一つと楽曲をつまんではじっくりと味わい、まるで劇薬を口に含んだかのような刺激に酔いしれていました。

そんな楽曲の中で、僕が特に衝撃を受けた一曲について、今回はモノローグ的に、お話ししたいと思います。




『The Revolutionary』 ※通算3枚目のフルアルバム『Revolutionary』収録曲

長い夜が明けた 革命の次の日
世界が変わっても 
おれはおれのままさ
壊れた車のシートに座って 自由を手に取る
となりで死んだように眠る横顔を
朝日が染めたのさ 染めたのさ

はあ。1番からうっとりするほどの厨二的世界観。
ただ、この楽曲の魅力は当然、そんな薄膜的な感覚には留まらない。

戦争のような、殺劇の想起される舞台の中で、
往年のヒロイズム的なライブ感は描かれていない。

そう、今はもう、「革命の次の日」なのだ。

“誰か”から、淡々と語られる夜明けの情景には
革命がどうして起こったのか?なんのため?その結果どうなった?
その一切も描かれず、ただそこには、生死の不明な2人がいるのみ。

そんな、不気味なほどの不確かさが渦巻く混沌の中で、ただ一つ、朝日の斜光に救われる。

これっぽっちの情報なのに、
ここまでわずか1分20秒、
まるで長編映画のクライマックスシーンに取り込まれたかのような高揚感と没入感に支配され、身体が勝手に、詩と曲から得た振動を神経に行き渡らせ、何度もフィードバックを繰り返すような、
そんな言葉にし難い感覚に溶かされる。

悪い夢が覚めた 革命の次の日
あなたが変わっても 
おれはかまわないさ
砕けたミラーを覗けば 
昨日が遠ざかって消える
となりで死んだように眠る横顔が
目覚める前にもう一度世界を変えるのさ 
変えるのさ
おれたちの思いどおりに

2番に入っても、場面は何も変わらない。
それどころか、「悪い夢」や「砕けたミラー」など朝日で得た救いを逃すような、鬱々とした因子が散りばめられる。

そしてここでもう一つ、あらためて鮮明になる事実。それは、主人公がほぼ半身を動かしていないこと。

物語で変化する視点は、“となりで眠る横顔”を見やり、少し角度を変え、“砕けたミラー”を覗いたのみだ。つまり、主人公は「顔のみ」を動かしている事になる。

思考を巡らせながら、“革命の次の日”という認識もある。したがって、ここにきて、この主人公とおそらくそのパートナーが取り返しのつかない状況で、生き長らえているのではないかと想像ができる。

楽曲が最終盤に差し掛かって、
ようやく全景の霧が晴れそうに思うが、物語はここで終わり。最後に、この世界を「再び変える」と、言い残して。




つらつらと、まとまりなく書き綴ってしまいましたが、言いたかった事は、
“ありふれた舞台設定から道を逸らすという挑戦的な詩を、約3分20秒の短い曲の中に詰め込んでいるが、その中で、何度も何度もQ&Aとフィードバックを繰り返させ、詩の情報量以上の想像を与えてくれる” ということです。

はい、簡単にまとめようと思いましたが、無理でした。笑正直、この曲に対する好意は元々言語化しにくいものだったので、それでも頑張って言葉にしてみようと、自分なりに冒険をしてみました。

ここまで書きましたが、百聞は一見にしかず、と言います。少しでもご興味持たれましたら、ぜひご視聴ください。

https://m.youtube.com/watch?v=N42dpWm54R0

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