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フジロック2022 Day2メモ

トップ画像は夕方、入口ゲート付近で見つけた虹。

・The fin. (RED MARQUEE)
マーキーの朝イチなので早起きする必要があったのだが、海外を拠点にしているバンドでなかなか日本でのライブがないので観に行った。朝からバチコーンと盛り上げるタイプのアクトではないし、お目覚めというよりは夜の匂いがする音楽だけど、シンセの音色とウィスパーボイスの効いた「Night Time」(これも直訳すると「夜の時間」)に心地良く身体を揺らした。

・Fire EX. (WHITE STAGE)
台湾のロックバンド。日本ではそれほどでもないが、現地ではそれなりの知名度があるらしい。以前東北ライブハウス大作戦のドキュメンタリーを見た時に彼らが出ていて、興味を持ったのを覚えている。彼らのルーツには日本のメロコア系のバンドがあるようで、90~00年代前半ぐらいの日本のロックの匂いも感じた。

ゲストで現れたのはTOSHI-LOW。2014年、台湾で起きた学生運動の時に、学生達はFire EX.の曲を歌っていたらしい。これがなかったら台湾は今の香港のようになっていたかも知れないと語るTOSHI-LOW、ほんとにこういうところで機能する言葉の力を持っている人だと思う。コラボ曲は音楽に壁などない事を体現していたし、彼らのライブは終始このステージに立つ喜びと真摯さに満ち溢れていて、とても温かい気持ちになった。

(エキスプレスから引用)
無名英雄
残像モーション
基隆路
Don’t You Fight
百年追求
雙城記
The Light
島嶼天光
12月的你
おやすみ台湾
繼續向前行
希望の明日

・アトミック・カフェ トーク day2 【気候とクライシスと原発】 津田大介・いとうせいこう・ジョー横溝・斎藤幸平 (GYPSY AVALON)
斎藤さんが気候変動についてもっとちゃんと考えていかないとこういう夏フェスだって出来なくなる日がくるかも知れない、というような話をしていた。

で、フジから帰ってきた8月2日。この日初日を迎えた食と音楽のイベント・喰らいマックスが熱中症の多発により残りの日程全てを中止するというニュースを見た。斎藤さんの指摘は決して大袈裟なものではなかったんだな…

・toconoma (FIELD OF HEAVEN)
前回のフジロックでの評判を聞いて、観たいなーと思ってたけどなかなか機会がなく早4年。メンバー皆社会人だからあんまりライブを入れられないのもあるんだろうか。まあメインストリームど真ん中は目指してなさそうだし、兼業でもフジロックに出られるバンドができてるなら素晴らしい事じゃないかと思う。

フジロックを彩ってきた定番インストバンド、これまで何組かあるけど完全にその最新系だった。ジャムバンドながらどちらかと言えばメロディアス寄りでジャンルの幅も広め。スペアザが辿ったような道にいけるポテンシャルもありそうだし、ロックバンドと対バンするのも観てみたい。

・SNAIL MAIL (WHITE STAGE)
オアシスTシャツで登場。90年代インディーおじさんに好かれてるイメージだけど、実は個人的にはそんなにハマってないんですよね...。何となくで観ました。

・KYOTO JAZZ SEXTET feat.森山威男 (FIELD OF HEAVEN)

KYOTO JAZZ SEXTETは前回出演時も観ているのだけど、今回初参加の森山威男さんのテクが凄まじく驚愕。色んなドラマー観てきたつもりだけど、もう手捌きから違うのよ。トランペットやサックスと渡り合っても邪魔しない、けれど主張と存在感がしっかりある。かっこよすぎる...。

ちなみに最高齢問題、今年87歳のテリー・ライリーがラインナップされていたので1位ではなかった。それでも凄いけど。

FOALS (GREEN STAGE)
超よかった。日本の踊れるロックバンドはフェスで一体感を出すためにも機能的な部分を追求し即効性を重視するようになっていった印象があるけど、フォールズはそれよりもじっくりとあっためてからアゲていくタイプ。それでも巧みなグルーヴに自然に身体が動き出すのがよくわかった。世界基準のダンスロックってのはこういう事なのかと感動。

ARLO PARKS (RED MARQUEE)
彼女のステージではお馴染みだという向日葵に囲まれたレッドマーキー。日本仕様なのか、後方には桜も見えた。ネオソウル系の新星というイメージだったけど、ドリームポップやインディーロックのテイストも感じられ、思った以上に型にハマらない魅力があった。デニス・ロッドマンばりの赤髪ベリーショートなヴィジュアルからは想像つかないキュートなキャラクターにもほっこり。レッドマーキー、満員御礼で大いに沸いていた。

Cornelius (WHITE STAGE)

今年のフジロックの個人的目玉。何度も観た事あるけどフジロックで観るのは初めて、しかも『FANTASMA』と同じ「MIC CHECK」始まり!そりゃーテンション上がる。ライブの見せ方が大きく変わったわけではないけど、最近配信が再開された「変わる消える」をやったし、終盤にはMETAFIVEの「環境と心理」が披露されるといったサプライズも。去年のフジロックでの特別編成METAFIVE(現TESTSET)が最後に演奏したのがこの曲で、1年越しに小山田によってプレイされたのが本当に感慨深い。そして続く「STAR FRUITS SURF RIDER」はもうたまらない恍惚の時間だった。この曲をスペシャのランキングで見てた1997年の夏を思い出してしまったけど、あれからもう四半世紀...!間奏の堀江さんの生トランペットが最高。。

そしてラスト、夜のホワイトの空気に溶けていくような「あなたがいるなら」。あなたがいるならこの世はまだましだな、と文字通り思える夜だった。おかえりなさい小山田君。Day3へ続く。

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