私は、他人を思いやることが苦手だ。 友人や家族といった近しい人ほど、心配や労いのコミュニケーションがうまく取れず、どうしても冷淡になってしまう。「大丈夫？」「無理しないでね」といった言葉を発するのに、とてつもない労力を要する。 周囲からは「ちょっと不器用なだけだよ！」と言われることが多く、自分自身もまたそのように納得していたけれど、本当にそうなのだろうか。就活関連の自己分析を進めていく過程で、これには「不器用」の一言でひっくるめられない複雑な原因があるのではないかと考える
自分は、特別な人間だと思っていた。 幼い頃から、要領の良さには定評があった。 小学校のペーパーテストでは、人並みに宿題をこなすだけで満点を叩き出した。 絵を描いても、歌を歌っても、何故か褒められる。 通知表は、唯一の苦手科目である体育を除いてAのオンパレード。 ふと思い立って塾に通い始めた小学六年生の夏、大多数の中学受験生が三年近くかけて学ぶ内容を三ヶ月で消化した。 結論から言うと中学受験は辞退したのだが、怒濤の三ヶ月間で詰め込んだ知識を活かし、高校受験に向けた
